「フラックスシードを買ってみたいけれど、粒のまま食べてよいのか分からない」「粉末にする必要があるの?」「毎日どのくらい食べればよい?」と迷っていませんか。
フラックスシードは、亜麻という植物の種子です。日本では「亜麻仁」や「アマニ」とも呼ばれ、食物繊維や植物由来のオメガ3脂肪酸、リグナンなどを含む食品として知られています。
ただし、体によさそうだからと粒を大量に食べたり、食用かどうか分からない種子を自己流で調理したりするのは避ける必要があります。食べ方を誤ると、お腹の張りや下痢、便秘の悪化などにつながることもあるためです。
この記事では、フラックスシードの基本的な食べ方をはじめ、粉末と粒の違い、加熱するときの考え方、1日の摂取量、ヨーグルトや料理への取り入れ方、保存方法まで順を追って解説します。
フラックスシードの食べ方は「食用の粉末を少量から」が基本
初めてフラックスシードを食べる場合は、食用として販売されている加熱加工済み、または粉末タイプの商品を選び、少量から始める方法が分かりやすいでしょう。
粒のままでも食べられる商品はありますが、硬い種皮に覆われているため、十分にかみ砕けないと消化されずに通過することがあります。栄養成分を食事に取り入れる目的であれば、粒を細かく挽いた粉末のほうが使いやすく、消化もしやすいとされています。
基本の食べ方は、次の3点です。
- 食用であることを確認した商品を選ぶ
- 粉末または細かく挽いた状態で料理に混ぜる
- 水やお茶などの水分も十分に取る
最初から多量に加える必要はありません。まずは小さじ1杯程度をヨーグルトやスープなどに混ぜ、お腹の様子を確認しながら商品表示の範囲で調整します。
食物繊維が多い食品を普段あまり食べていない人は、急に摂取量を増やすとお腹が張ったり、便がゆるくなったりすることがあります。フラックスシードは水分と一緒に取ることが大切で、十分な水分がない場合には便秘が悪化する可能性も指摘されています。
フラックスシードとはどのような食品?
フラックスシードは、亜麻の種子を食用にしたものです。英語の「flaxseed」をそのままカタカナにした呼び方で、日本では亜麻仁やアマニという名称でも流通しています。
茶色や黄金色の小さな種子で、商品によって粒、粗挽き、粉末、ロースト加工済みなどの形があります。ナッツに似た軽い香ばしさがあり、甘い料理にも塩味の料理にも合わせやすい食品です。
食物繊維、オメガ3脂肪酸、リグナンを含む
フラックスシードの主な特徴は、食物繊維、脂質、たんぱく質、植物成分のリグナンを一緒に取れる点です。
脂質には、植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸が含まれています。米国農務省の資料では、挽いたフラックスシード大さじ1杯に、オメガ3脂肪酸が約1.8グラム含まれるとされています。
挽いたフラックスシード大さじ1杯、約7グラムには、食物繊維が約2グラム含まれます。少量でも食物繊維を補いやすい反面、急に量を増やすと消化器症状が出ることがあるため、体調を見ながら取り入れることが重要です。
フラックスシードに期待されている働きについては、血中脂質や血圧などを対象に複数の研究が行われています。ただし、研究で使われる量や期間、参加者の健康状態はさまざまであり、食べれば特定の病気が治るというものではありません。食生活全体を整えるための一つの食品として考えるのが適切です。
粒、粉末、フラックスシードオイルの違い
フラックスシードには複数の形があり、形状によって食べ方や含まれる成分が異なります。
| 種類 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 粒タイプ | 保存しやすいが、丸ごとでは消化されにくい | 食べる直前にミルで挽く |
| 粉末タイプ | 料理に混ぜやすく、消化しやすい | ヨーグルト、スープ、パン生地 |
| オイル | α-リノレン酸を含むが、食物繊維は含まない | サラダや加熱後の料理にかける |
フラックスシードオイルは、種子の油分を取り出したものです。α-リノレン酸は含まれますが、種子に含まれる食物繊維やリグナンの多くは取れません。種子とオイルは、同じものではなく目的の異なる食品です。
食物繊維も一緒に取りたい場合は粉末タイプ、料理の仕上げに油を少量加えたい場合はオイルというように使い分けます。
食べ始める前に準備するもの
フラックスシードは特別な調理器具がなくても食べられます。ただし、粒を購入する場合は細かくするための器具が必要です。
購入前には、商品名だけでなく、加工状態や保存方法、推奨量も確認しておきましょう。
食用として加工・販売されている商品を選ぶ
最も重要なのは、人が食べるための商品であることを確認することです。
園芸用の種子、栽培用の種子、飼料用の商品は、食用としての品質管理や加工が行われているとは限りません。安価だからという理由で、食用表示のない種子を料理に使用しないでください。
厚生労働省の情報では、生のアマニや熟していないアマニには毒性のある成分が含まれる可能性があるため、食べないよう注意されています。食品安全委員会が紹介する海外情報でも、亜麻仁には天然のシアン配糖体が存在するとされています。
購入するときは、次の項目を確認します。
- パッケージに「食用」と書かれている
- ロースト済み、加熱加工済みなどの表示がある
- 粒、粗挽き、粉末のどれかが明記されている
- 開封後の保存方法が分かる
- 1回または1日の目安量が記載されている
海外から個人輸入した商品や、加工状態が分からない商品は、表示を十分に確認してから使用しましょう。英語表記だけで判断できない場合は、販売元に問い合わせるほうが安心です。
粒を挽くための器具を用意する
粒タイプを購入する場合は、食べる直前に細かくできる器具を用意します。
家庭で使いやすいのは、電動コーヒーミル、スパイスミル、小型のフードプロセッサー、すり鉢などです。少量を短時間で粉砕でき、使用後に油分を洗い落とせるものが適しています。
用意しておくと便利なものは次のとおりです。
- フラックスシードを挽くミルやすり鉢
- 量を確認するための小さじと大さじ
- 密閉できる保存容器
- ヨーグルト、スープなど水分のある食品
- 食事と一緒に飲む水やお茶
コーヒー豆に使っているミルを兼用すると、フラックスシードにコーヒーの香りが移ることがあります。反対に、フラックスシードの油分がミルに残ることもあるため、できれば専用にするか、使用後に丁寧に手入れしましょう。
1日の摂取量は商品表示を優先する
フラックスシードについて、すべての人に共通する公的な1日摂取量は定められていません。
米国農務省の資料では、健康的な食生活に取り入れる量として、挽いたフラックスシードを1日大さじ1〜2杯程度とする提案が紹介されています。ただし、これはすべての人にとっての安全上限量ではなく、体格や食生活、胃腸の状態によって適量は変わります。
初心者は、次のように段階的に増やすと体調を確認しやすくなります。
| 段階 | 量の考え方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 食べ始め | 小さじ1杯程度 | 張り、腹痛、便の変化 |
| 慣れてきた後 | 商品表示の範囲で増やす | 水分が不足していないか |
| 継続時 | 毎日同じ量に固定しすぎない | 食事全体とのバランス |
食物繊維を多く含む野菜、豆類、全粒穀物などを日頃から十分に食べている人は、フラックスシードを追加すると食物繊維の総量が急に増えることがあります。
健康によい食品だからと考えて、山盛りのスプーンで計量したり、複数の商品を併用したりしないようにしましょう。
フラックスシードを食べる基本の手順
フラックスシードを毎日の食事に取り入れるときは、難しいレシピから始める必要はありません。
「確認する」「必要なら挽く」「水分のある食品に混ぜる」という順番を守れば、初心者でも無理なく続けられます。
ステップ1:商品表示と加工状態を確認する
最初に、手元の商品が粒なのか、粗挽きなのか、粉末なのかを確認します。
「ロースト」「焙煎」「加熱済み」「そのまま食べられます」などの表示がある商品は、記載された方法に従って使用します。
粒の状態で、そのまま食べられると書かれている商品でも、栄養成分を取り入れたい場合は細かく挽くのがおすすめです。丸ごとのフラックスシードは、十分に消化されないまま腸を通過することがあるためです。
粉末タイプは、そのまま料理に混ぜられます。ただし、開封から長期間たっているものや、においに違和感があるものは使わないでください。
ステップ2:粒タイプは食べる分だけ挽く
粒タイプは、1回に使う分をミルやすり鉢に入れます。
電動ミルを使う場合は、連続して長時間回すのではなく、数秒ずつ動かしながら粒の状態を確認します。完全な微粉末にする必要はなく、種皮が割れて粗い粉状になれば料理に使えます。
一度に大量に挽いて長期間保存するより、数回で使い切れる量を挽いたほうが風味を保ちやすくなります。
粉砕すると種子の内部が空気に触れやすくなるため、残った粉末は密閉容器に入れ、商品表示に従って冷蔵庫や冷凍庫で保存します。挽いたフラックスシードは粒より酸化の影響を受けやすいとされています。
ステップ3:水分のある食品に混ぜる
粉末にしたフラックスシードは、ヨーグルト、スープ、オートミールなど、水分を含む食品に混ぜると食べやすくなります。
乾いた粉末をスプーンですくって、そのまま口に入れる方法はおすすめできません。むせやすいうえ、口や喉の水分を吸って飲み込みにくくなることがあります。
小さじ1杯程度を料理に入れ、粉の塊が残らないように混ぜてください。フラックスシードは水分を吸うと少しとろみが出るため、混ぜた後に数分置くと食感が変わります。
食事中や食後には、水やお茶なども取りましょう。食物繊維の多いフラックスシードを十分な水分なしで取ると、便秘の悪化や、まれに腸閉塞につながる可能性があります。
ステップ4:食後の体調を確認する
初めて食べた日や量を増やした日は、お腹の状態を確認します。
食物繊維に慣れていない場合、一時的にガスが増えたり、お腹が張ったりすることがあります。少し便がやわらかくなる場合もありますが、下痢や強い腹痛が続くときは摂取を中止してください。
体に合うか分からないうちは、旅行や外出の直前ではなく、自宅で過ごせる日に試すと安心です。
量を増やした翌日に症状が出た場合は、いったん休むか、前の量に戻します。「早く変化を感じたい」と一度に増やすより、少量を無理なく続けることが大切です。
フラックスシードのおいしい食べ方
フラックスシードには強い味がなく、少し香ばしい風味があります。そのため、和食にも洋食にも加えられます。
最初は、普段から食べている料理に小さじ1杯加えるだけで十分です。特別な専用メニューを用意するより、朝食や夕食の習慣に組み込むほうが続けやすくなります。
ヨーグルトに混ぜる
最も手軽なのは、プレーンヨーグルトに粉末のフラックスシードを混ぜる方法です。
ヨーグルト100〜150グラムに小さじ1杯程度を入れ、全体が均一になるまで混ぜます。すぐに食べると少し粉っぽさが残りますが、2〜5分置くと水分を吸ってなじみます。
バナナやリンゴ、ベリー類などの果物を添えると、食感と甘みが加わります。甘さが必要な場合は、砂糖を多量に加えるのではなく、果物や少量のはちみつで調整するとよいでしょう。
初めて食べるときは、フラックスシード以外の新しい食材を同時に何種類も加えないほうが、体調に変化があったときに原因を判断しやすくなります。
オートミールやシリアルに加える
オートミールやシリアルとも相性がよく、朝食に取り入れやすい食べ方です。
加熱したオートミールに加える場合は、調理後に粉末を混ぜます。牛乳、豆乳、水などを少し多めにすると、フラックスシードが水分を吸っても食べにくくなりません。
冷たいシリアルに使う場合は、牛乳や豆乳を注いでから振りかけ、しっかり混ぜます。乾いたシリアルの上に大量にのせると、粉が舞ったり、口の中でまとまったりするため注意してください。
オートミールにも食物繊維が含まれているので、フラックスシードを初めて加えるときは少量にします。
スムージーに混ぜる
果物や野菜を使ったスムージーに混ぜると、粉っぽさを感じにくくなります。
バナナ、牛乳または豆乳、ヨーグルトなどと一緒にミキサーに入れれば、全体に均一に混ざります。粒タイプをそのまま入れる場合は、使用しているミキサーが小さな種子を粉砕できるか確認してください。
一般的なミキサーでは、少量の粒が容器の隅に残ることがあります。その場合は、あらかじめミルで挽いてから加えるほうが確実です。
スムージーは飲みやすいため、フラックスシードを何杯も加えがちです。飲み物にした場合も摂取量は変わらないので、計量してから入れましょう。
ご飯、みそ汁、スープに加える
甘い料理が苦手な人は、ご飯や汁物に加える方法が向いています。
炊いたご飯に粉末を振りかけると、すりごまに似た感覚で食べられます。塩、青のり、かつお節などを少量合わせ、手作りのふりかけにする方法もあります。
みそ汁やスープに入れる場合は、器によそってから小さじ1杯程度を混ぜます。粉末を加えると少しとろみがつくため、汁が少ないと重たい食感になることがあります。
最初は少なめに入れ、味やとろみを確認してから調整してください。
サラダや温野菜に振りかける
サラダ、蒸し野菜、おひたしに振りかけると、香ばしさを加えられます。
粉末だけでは野菜に付着しにくいため、ドレッシングやしょうゆ、ポン酢などをかけてから混ぜます。マヨネーズやごまだれに少量混ぜて、ソースとして使う方法もあります。
サラダにフラックスシードオイルを使う場合は、種子の粉末とオイルを同じものと考えないようにしましょう。オイルには食物繊維がほとんど含まれないため、目的に応じて選びます。
初心者が取り入れやすい料理
普段の食事に加えるなら、次のような料理が向いています。
- ヨーグルトやフルーツ
- オートミールやシリアル
- みそ汁、ポタージュ、野菜スープ
- ご飯、おひたし、サラダ
- パンケーキ、蒸しパン、マフィン
どの料理に使う場合も、最初は小さじ1杯程度から試します。
1回の料理に大量に加えるより、朝食や夕食に少量ずつ分けたほうが、食感を損ねにくく、お腹への負担も確認しやすくなります。
フラックスシードは粒のまま食べられる?
食用として販売され、「そのまま食べられる」と表示されている加工済み商品であれば、粒のまま料理に使えるものもあります。
ただし、粒のまま食べられることと、含まれる成分を十分に利用できることは別です。フラックスシードの表面は硬く、よくかまないと種皮が割れず、そのまま排出されることがあります。
基本的には挽いてから食べる
栄養成分を食事に取り入れたい場合は、粒を細かく挽く方法が適しています。
Mayo Clinicも、丸ごとのフラックスシードより、挽いたもののほうが消化しやすいと説明しています。人を対象とした研究でも、挽いたフラックスシードは丸ごとの種子よりリグナン由来成分を利用しやすいことが報告されています。
粒の食感を残したい場合は、すべてを粉末にする必要はありません。半分を粉末、半分を粗挽きにするなど、食べやすさに合わせて調整できます。
粒を歯でかみ砕こうとすると、歯の状態によっては負担になることがあります。歯や入れ歯に不安がある人は、初めから粉末商品を選ぶと安心です。
水に浸すだけで安全になるとは限らない
フラックスシードを水に浸すと、表面にぬめりが出ます。この性質を利用して、とろみ付けや焼き菓子のつなぎに使うことはできます。
しかし、食用ではない種子や、加工状態が分からない生の種子を水に浸しただけで、安全に食べられると判断してはいけません。
生や未熟なフラックスシードには、潜在的に有害な成分が含まれる可能性があります。自己流で安全性を確保しようとせず、最初から食用として販売されている商品を使用してください。
フラックスシードは加熱しても食べられる?
食用のフラックスシード粉末は、パンやマフィンなどの生地に混ぜて加熱できます。
研究では、挽いたフラックスシードをパンやパスタなどの食品に混ぜて調理した場合、α-リノレン酸が一定程度保たれることが報告されています。種子を食品の材料として加熱することと、フラックスシードオイルを高温で長時間加熱することは分けて考える必要があります。
粉末はパンや焼き菓子の生地に混ぜられる
粉末タイプは、パン、マフィン、クッキー、パンケーキ、蒸しパンなどに混ぜられます。
初めて使う場合は、小麦粉の一部を大量に置き換えるのではなく、生地全体に対して小さじ1〜大さじ1程度を加えます。
フラックスシードは水分を吸うため、多く入れると生地が硬くなったり、仕上がりが重たくなったりします。通常のレシピに追加する場合は、牛乳や水を少し足し、生地の状態を見ながら調整してください。
加熱によって香ばしさが増すため、バナナ、シナモン、ココア、ナッツ類などとも合わせやすくなります。
オイルは揚げ物や高温調理を避ける
フラックスシードオイルは、多価不飽和脂肪酸を多く含み、熱や光、空気の影響を受けやすい油です。
炒め物や揚げ物に使うより、サラダ、冷ややっこ、納豆、スープなどに、食べる直前にかける使い方が向いています。米国農務省の資料でも、フラックスシードオイルは冷たい料理に使い、揚げ物には使用しない方法が示されています。
| 使用方法 | 種子・粉末 | オイル |
|---|---|---|
| ヨーグルトに混ぜる | 適している | 少量なら可能 |
| パン生地に入れる | 適している | 商品表示を確認 |
| 揚げ物に使う | 通常は使用しない | 避ける |
| 料理の仕上げに加える | 適している | 適している |
オイルの商品によっては用途が指定されているため、必ずパッケージの表示を確認してください。
フラックスシードを卵の代わりに使う方法
挽いたフラックスシードは、水を加えると粘りが出ます。この性質を利用したものは「フラックスエッグ」と呼ばれ、焼き菓子のつなぎとして使われています。
卵アレルギーへの配慮や、植物性の材料だけで料理を作りたい場合に便利ですが、すべての卵料理を置き換えられるわけではありません。
フラックスエッグの作り方
一般的には、粉末のフラックスシード大さじ1杯に対して、水大さじ3杯程度を混ぜます。
混ぜた後は、5〜10分ほど置いてください。次第にとろみが出て、ゆるいゼリー状になります。
完成したものを、マフィン、パンケーキ、クッキー、ハンバーグなどの生地に混ぜます。材料をまとめる力はありますが、卵のように泡立てて生地を大きく膨らませる力はありません。
卵が重要な役割を持つスポンジケーキ、プリン、オムレツなどには適していません。置き換えやすいのは、もともと生地に粘りがあり、卵をつなぎとして使っている料理です。
フラックスエッグを使った料理も、通常のフラックスシードと同じ摂取量に含めて考えます。複数の料理に入れる日は、合計量が多くなりすぎないようにしてください。
フラックスシードの保存方法
フラックスシードは脂質を多く含むため、光、空気、熱を避けて保存します。
特に粉末タイプは種子の内部が空気に触れやすく、粒タイプより風味が変化しやすい状態です。開封後は袋を開けたままにせず、毎回しっかり密閉してください。
粒タイプの保存方法
未開封の商品は、直射日光と高温多湿を避け、パッケージに記載された方法で保存します。
開封後は、袋の空気をできるだけ抜いて密閉するか、清潔で乾燥した保存容器に移します。コンロの近く、日光が入る窓辺、湿気が多いシンク下などは避けましょう。
粒タイプは粉末より内部の脂質が空気に触れにくいため、必要な分だけ挽く使い方に向いています。
保存期間は商品や加工方法によって異なります。一般論で判断せず、賞味期限と開封後の案内を優先してください。
粉末タイプの保存方法
粉末タイプは、開封後に冷蔵または冷凍保存を指定している商品が多くあります。
密閉容器に入れ、料理に使う分だけ清潔なスプーンで取り出します。水分の付いたスプーンを入れると、粉末が固まったり、傷みやすくなったりします。
自宅で挽いたものは、できるだけ早く使い切りましょう。数回分をまとめて挽く場合も、大量に作り置きするのではなく、短期間で使える量にとどめます。
食べないほうがよい状態
フラックスシードは、古くなると風味やにおいが変わることがあります。
次のような変化がある場合は、賞味期限内でも使用を控えてください。
- 油が古くなったような不快なにおいがする
- 苦味や刺激のある味がする
- 湿気で大きな塊になっている
- カビや変色が見られる
- 虫や異物が確認できる
味見をして安全性を確かめようとせず、においや見た目に異常があるものは処分します。
フラックスシードを食べるときの注意点
フラックスシードは食品ですが、誰でも同じように食べられるとは限りません。
食物繊維や植物成分を多く含むため、胃腸の状態、服用している薬、妊娠や授乳の状況によっては、自己判断で継続しないほうがよい場合があります。
水分を一緒に取る
フラックスシードを食べるときは、料理に含まれる水分だけでなく、食事中や食後にも水やお茶を取ります。
特に粉末をオートミール、パン、シリアルなどに加える場合は、食事全体が乾燥しやすくなります。飲み物を用意し、ゆっくり食べましょう。
十分な水分を取らずに食物繊維を増やすと、便が硬くなったり、排便しにくくなったりする場合があります。
腸が狭くなっていると診断されている人、腸閉塞の経験がある人、飲み込む力が低下している人は、食べ始める前に医療機関へ相談してください。
お腹の不調が出たら量を減らす
フラックスシードを多く取ると、膨満感、ガス、腹痛、下痢などが起こることがあります。NCCIHも、高用量ではお腹の張りや満腹感、下痢などの消化器症状が起こり得ると説明しています。
食べ始めた後に次のような症状が出た場合は、いったん摂取を中止します。
- 強い腹痛や吐き気がある
- 下痢が何日も続く
- 便やガスが出ず、お腹が強く張る
- 口や喉に腫れ、かゆみ、違和感が出る
- 息苦しさやじんましんが現れる
激しい腹痛、呼吸困難、意識の異常などがある場合は、食品が原因かどうかを自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
薬と同時に取らない
食物繊維の多い食品は、薬の吸収に影響する可能性があります。
Mayo Clinicは、フラックスシードと経口薬を同じ時間に取らないよう案内しています。また、NCCIHは、抗凝固薬や抗血小板薬などとの相互作用が理論上考えられるため、薬を服用している人は医療従事者に相談するよう勧めています。
薬との間隔は、薬の種類によって異なります。自己判断で「一律に何時間空ければよい」と決めず、医師または薬剤師に商品名と摂取量を伝えて確認してください。
フラックスシードを食べるために、処方薬を中止したり、服用時間を大きく変更したりしてはいけません。
妊娠中や授乳中は医療機関に相談する
妊娠中や授乳中のフラックスシードの安全性については、十分な情報がそろっていません。
NCCIHは、妊娠中の使用について安全ではない可能性を示す研究がある一方、結論は確定していないとしています。授乳中についても、使用の安全性に関する情報は限られています。
普段の料理に含まれる少量と、粉末やオイルを毎日意識的に取ることでは摂取状況が異なります。妊娠中、妊娠を希望している時期、授乳中に継続して食べたい場合は、事前に産婦人科医や助産師へ相談してください。
医師や薬剤師への相談が必要な人
次に当てはまる場合は、毎日の習慣にする前に医療機関へ相談しましょう。
- 抗凝固薬や抗血小板薬を服用している
- 糖尿病や高血圧の薬を服用している
- 腸閉塞や消化管の狭窄を指摘されたことがある
- 妊娠中、授乳中、または妊娠を希望している
- 手術や検査を予定している
持病がある場合、フラックスシードを食べ始めたことで検査値が変化する可能性も考えられます。通院時には、食品やサプリメントを含め、日常的に取っているものを伝えてください。
フラックスシードの食べ方でよくある質問
フラックスシードは、粒、粉末、オイルで使い方が異なるため、初めて購入すると迷いやすい食品です。
ここでは、食べ始める前に確認しておきたい疑問を整理します。
毎日食べてもよいですか?
体調に問題がなく、商品表示の範囲で少量を食事に取り入れる方法であれば、毎日の献立に組み込むことは可能です。
ただし、毎日食べなければ意味がないわけではありません。お腹が張る日や体調が悪い日は休み、食事内容に合わせて量を調整します。
同じ食品だけに頼らず、野菜、果物、豆類、魚、肉、卵、乳製品、穀物などを組み合わせることが大切です。
いつ食べるのがおすすめですか?
朝、昼、夜のどの時間でも構いません。
続けやすさを重視するなら、毎日食べているヨーグルト、みそ汁、オートミールなどに加える方法が向いています。
薬を服用している人は、服薬時間との重なりに注意してください。朝に薬を飲む場合は、フラックスシードを夕食に取り入れるなど、医師や薬剤師に確認したうえで調整します。
粒と粉末のどちらを買うべきですか?
手軽さを優先するなら、食用の粉末タイプが便利です。
鮮度を保ちながら必要な分だけ使いたい場合は、食用の粒タイプを購入し、食べる直前に挽く方法が向いています。
ただし、ミルを持っていない場合や、毎回挽く手間を負担に感じる場合は、最初から粉末を選んだほうが続けやすいでしょう。
茶色と黄金色で栄養は違いますか?
フラックスシードには、主に茶色と黄金色の品種があります。
米国農務省の資料では、両者の栄養面の違いは小さいと説明されています。色だけで優劣を決めるより、食用加工の有無、保存状態、使いやすい形状を確認することが重要です。
香りや食感には商品ごとの差があるため、少量の商品から試すとよいでしょう。
便秘に効果がありますか?
フラックスシードには食物繊維と、水に触れると粘りが出る成分が含まれています。そのため、排便を支える食品として利用されることがあります。
一方で、厚生労働省の情報では、便秘に対する有効性の研究はまだ十分ではないとされています。また、水分が不足すると、反対に便秘が悪化する可能性があります。
便秘が長く続く、強い腹痛がある、便に血が混じる、急に便通が変化したといった場合は、食品だけで対処せず医療機関を受診してください。
ダイエット中に食べてもよいですか?
フラックスシードは食物繊維を含みますが、脂質も多く含む食品です。
食事に少量加えることはできますが、食べるだけで体重が減る食品ではありません。ヨーグルトにフラックスシードを加えたうえで、砂糖、はちみつ、グラノーラ、ナッツなどを大量にのせると、全体のエネルギー量が増えます。
体重管理を目的とする場合は、フラックスシードだけを見るのではなく、食事全体の量、間食、飲み物、運動、睡眠などを一緒に見直しましょう。
安全に続けるために大切なこと
フラックスシードの食べ方で大切なのは、食用の商品を選び、粒なら細かく挽き、水分のある食品に少量ずつ加えることです。
ヨーグルト、オートミール、みそ汁、スープ、ご飯、サラダなど、普段の料理に小さじ1杯程度を混ぜるところから始めれば、特別なレシピを用意しなくても取り入れられます。
粒のままでは十分に消化されないことがあるため、栄養成分を取り入れたい場合は粉末または粗挽きが適しています。パンやマフィンなどの生地には混ぜられますが、フラックスシードオイルは高温の揚げ物に使わず、料理の仕上げに加えましょう。
一度に多く食べても、より大きな利点が得られるとは限りません。お腹の張りや下痢、便秘などが起きない量を見つけ、十分な水分と一緒に取ることが、無理なく続けるための基本です。
薬を服用している人、妊娠中や授乳中の人、腸の病気がある人は、自己判断で習慣化せず、医師や薬剤師へ相談してから取り入れてください。
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