オメガ3系肪酸(α-リノレン酸)が多く含まれていることで注目されている、亜麻仁油。
不足しがちと言われているオメガ3脂肪酸を小さじ1杯程度で必要摂取量をカバーできるため、取り入れている人も多く見られます。
見落とされがちなのが、亜麻仁(亜麻の種子)。亜麻仁油の原材料である亜麻仁にも、多くの栄養素が含まれています。
オメガ3系脂肪酸はもちろん、食物繊維・ミネラル・ビタミン、そして、リグナンというポリフェノールの一種も含まれています。
そのため、美容やダイエットにも良いスーパーフードです。
亜麻仁は、大さじ1杯(約10g)程度で1日に必要なオメガ3系脂肪酸をカバーできるので、亜麻仁油と同じく、手軽に栄養を摂取できます。
今回は、亜麻仁の栄養と期待できる効果を詳しくご紹介します。
※亜麻仁油について知りたい人は、以下の記事を読んでみてください。
亜麻仁のカロリー・栄養
亜麻仁の栄養成分表
たんぱく質が豊富
亜麻仁には、100gあたり21.9g含まれています。これは、女性が1日に必要な量の40%以上になります。
ダイエット中、食事の量を減らしてしまうと、不足してしまうたんぱく質。亜麻仁を食事に取り入れることで不足分をカバーできます。
オメガ3系脂肪酸を含んだ脂質
亜麻仁には、脂質が43.5gと多く含まれています。しかし、その半分以上がα-リノレン酸で24.0gとなっています。
亜麻仁油だけでなく、亜麻仁でもα-リノレン酸をしっかり摂取することが可能です。
水溶性・不溶性食物繊維が豊富
亜麻仁の食物繊維は、100gあたり24.0g。1日に必要な量が18g以上と言われているので、豊富に含まれていることがわかります。
食物繊維が大事なことはよく知られています。しかし、そのバランスもとても重要です。
食物繊維には、水溶性と不溶性があります。例え食物繊維をたっぷり摂っても、このバランスが悪いと便秘を招く、または悪化させてしまう可能性もあります。
野菜を食べていても便秘が改善されないという人は、不溶性食物繊維を摂取できてるけど水溶性が足りないためと言われています。
理想のバランスは、水溶性:不溶性=1:2。亜麻仁の食物繊維は、水溶性9.1g、不溶性は14.8gとバランス良く含まれています。
ミネラルが豊富でバランス良く含まれている
亜麻仁には、ミネラルが豊富に含まれています。
100gあたりで見ると、マグネシウム・鉄・銅は、1日の必要量以上の含有量。
マンガンは、約85%、亜鉛は約75%、カルシウム・カリウムは30%と、どのミネラルも多く含まれていることがわかります。
女性に嬉しい成分「リグナン」
亜麻仁油に含まれていない成分、それはアマニリグナン。
ポリフェノールの一種であるリグナンは、抗酸化作用があります。更には、女性ホルモンのバランスを整える働きがあることがわかっています。
リグナンは、植物性のものに含まれていますが、その中でもアマニの含有量はダントツで多くなっています。
Linus Pauling研究所によると、リグナンが多く含まれているゴマと比較すると8倍近くになります。。
【1オンス(およそ28g)あたりの含有量】
- 亜麻仁…85.5mg
- ゴマ…11.2mg
出典:Linus Pauling Institute, Micronutrient Information Center
【リグナンによる効果はゴマと亜麻仁では同等?】
近年の研究では、ゴマには体内でリグナンに変わる成分(前駆体)が存在しているため、亜麻仁と同等の効果が期待できると考えられています。
【参考論文】
Whole sesame seed is as rich a source of mammalian lignan precursors as whole flaxseed.
Biotransformation of sesaminol triglucoside to mammalian lignans by intestinal microbiota.
亜麻仁に期待できる効果
腸内環境を整え便秘改善にも
亜麻仁に豊富に含まれているオメガ3系脂肪酸は、悪玉菌を減らす働きがあります。
また、水溶性・不溶性食物繊維によって、腸内環境を整えるサポートになります。そのため、便秘がちの人は、改善にもつながります。
代謝促進
マグネシウムは、代謝に必要な酵素を助ける働きがあります。
むくみ改善
塩分のとり過ぎは、体内に水分を溜め込み、むくみの原因になります。
余分な塩分(ナトリウム)を体外に排出してくれるのが、カリウム。カリウムが豊富な亜麻仁は、むくみ改善に役立ちます。
美肌効果
リグナンによる抗酸化作用や女性ホルモンの整える作用、また、細胞膜やセラミドの原料となるオメガ3系脂肪酸により、肌の調子を整える効果が期待できます。
ダイエット効果
エネルギー代謝に必要なミネラル。亜麻仁には、ミネラルが豊富でバランス良く含まれているため、ダイエット効果が期待できます。
また、オメガ3系脂肪酸や脂肪酸食物繊維により腸内環境が整えて代謝アップ、オメガ3脂肪酸により中性脂肪を減らすなどの効果が期待できます。
粒と粉末では効果が違う?
亜麻仁には、粒状のものと粉末状のものがあります。これらは同じ亜麻仁なので、栄養価に違いはありません。
違いがあるとすれば、食感と吸収力です。
食感があるのは粒状のもの。食感を楽しみたい人は、粒状のものを食事に取り入れてみましょう。
粉末状のものは、栄養の吸収力が高いです。しっかり栄養を摂取したいなら粉末状が良いでしょう。ただし、粒状のものでも、よく噛んで食べれば、吸収力は高まります。
亜麻仁は加熱しても大丈夫?
亜麻仁に含まれるα-リノレン酸は、熱に弱く酸化しやすい脂肪酸です。そのため、亜麻仁から抽出したオイル「亜麻仁油」は、加熱せずに使用することを勧めています。
しかし、亜麻仁は加熱してもα-リノレン酸やリグナンには大きな影響はないようです。これは、研究により実証されています。
Effect of processing and storage on the stability of flaxseed lignan added to bakery products.
ただし、粉末にしたものは、酸化しやすいため、熱に弱い可能性があります。熱を加える場合は、粒状のものが良いでしょう。
亜麻仁の食べ方
亜麻仁は、普段食べているものに、大さじ1杯加えるだけで手軽に摂取できます。また、パンやクッキーなどの作るなら生地に混ぜて焼けば、栄養価が高くなります。
ご飯・パスタに亜麻仁をかける
ゴマのようにご飯にかければ、普段の食事で手軽に摂取できます。パスタにかけるのも良いですね。
参考になるレシピ
パン生地に亜麻仁を混ぜて
前述のように、亜麻仁は熱に強いので、パン生地に混ぜて焼いてもその栄養に大きな影響はありません。
栄養たっぷりのパンになります。
参考になるレシピ
クッキーに亜麻仁
クッキー生地に亜麻仁を混ぜて焼けば、栄養たっぷりのおやつになります。
また、プリンやヨーグルトに、大さじ1杯振りかけても良いです。
まとめ
亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)を手軽に摂取できることで人気です。
しかし、亜麻仁にもオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)がしっかり含まれていますし、オイルでは摂取できない食物繊維・ミネラル・リグナンも摂取できるので、キレイになりたい女性にはオススメのスーパーフードです。
参考にしてくださいね。
亜麻仁油について知りたい人は、以下の記事でご紹介しています。