体重を落とすために、食事や運動をするのがダイエットの基本です。しかし、ダイエットを成功させるためには、「脳」が重要な役割を果たしています。
なかなか痩せられない、継続できない、痩せても元に戻ってしまったなど、これらは脳も影響しています。
逆に言えば、脳をコントロールすることでダイエット成功に近づくことが可能ですし、体内の働きを変化させることもできます。
そこで今回は、脳を騙す、脳をコントロールしてダイエット効果を上げるテクニックをご紹介します。
脳とダイエットの関係
脳疲労とダイエット
私たちの脳には、理性の脳(大脳新皮質)と本能の脳(大脳旧皮質)があり、バランスを保って関係性にあります。
しかし、理性の脳がフル回転することで理性の脳が抑圧され、バランスが破綻してしまいます。これが、脳疲労が起こる原因です。
ダイエットに例えると、本能の脳では、「食べたい」としていても、理性の脳では「食べてはいけない」とし我慢します。しかし、この理性の脳が抑圧され続けると、脳疲労に繋がるというわけです。
脳疲労が起こると、食欲異常が起こり、過食や味覚が鈍り甘いモノや脂っこいものが欲するようになります。
ホルモンと食欲
私たちの食欲は、体内で分泌されるホルモンが脳に司令を与え、調整されています。主に食欲に関連するホルモンは、レプチン・グレリン・セロトニンです。
レプチン
レプチンは、食欲を抑制するホルモンです。食事をして脂肪が脂肪細胞に吸収されることでレプチンが分泌され、満腹であることを脳に伝えてくれる働きをします。
また、交感神経を活発して、エネルギー消費を促す働きもあります。
食欲を抑制してくれるレプチンですが、肥満の人・過食・高脂肪食の人は、レプチンの持つ食欲抑制力が低下してしまい、食べ過ぎてしまう傾向にあります。
また、睡眠不足の人は、レプチンの分泌量が低下すると言われています。ある実験では、5時間睡眠の人は、8時間睡眠の人に比べ、レプチンの量は15%低いことがわかっています。
グレリン
グレリンは、食欲を増進させる成長ホルモンの分泌を促すホルモンです。空腹時に胃から分泌され脳に伝え食欲を刺激します。
睡眠不足の人は、グレリンの分泌が増加すると言われていて、5時間睡眠の人は、8時間睡眠の人に比べ15%多くなることが、実験で明らかになっています。
セロトニン
セロトニンは、「幸せホルモン」と呼ばれているホルモン。三大神経伝達物質のひとつで、心を安定させる働きを持っています。
セロトニンも食欲に関係していて、不足すると、食べ過ぎにつながります。セロトニンが不足する原因は、不規則な生活、偏食、運動不足、慢性的なストレスなどが挙げられます。
イメージとダイエット
私たちは、イメージしているものに近づこうと行動します。
例えば、理想のスタイルをイメージしていると、無意識下(顕在意識)で理想のスタイルが「本来の自分の姿」と認識されるのです。そして、その理想のスタイルである「本来の自分の姿」に向かってこうどうするようになります。
また、ニセ薬を薬と伝え投与したら症状が改善された例(プラセボ効果、またはプラシーボ効果)や、筋肉を動かすイメージだけで筋力がアップしたという事例もあります。
「イメージする」「思い込み」を利用することで、ダイエット効果を上がることも可能です。
脳を騙す・コントロールするテクニック
脳を騙す、また脳をコントロールすることがダイエットに効果的なことが分かりました。そこで、具体的なテクニックをご紹介します。
脳疲労を解消する
本来、カラダが「食べたい」「動きたくない」と欲しているのに、ダイエット中だからと、ストイックに食事制限や運動を我慢して行い続けると脳疲労につながります。
その結果、我慢して食事制限や運動して痩せたのに、過食してしまい体重は元通り、またはダイエット前よりも太ってしまうのです。
脳疲労を起こさないために、無理のない範囲、ストレスを溜めない範囲で行うことが必要です。1日に1回は食べ過ぎない程度に好きなものを食べることも、脳疲労を起こさない、解消するために良いことなのです。
「1日1快食」でダイエットするBOOKSダイエットも、脳疲労を解消し、味覚を正常に戻して食事の量を減らす方法です。
たんぱく質を摂取する
たんぱく質は、脳を満足させるために大事な栄養素です。たんぱく質は、セロトニンやレプチンの分泌に必要な栄養素。肉類や魚類などの動物たんぱく質や豆類などの植物性たんぱく質に多く含まれています。
噛む回数を増やす
よく噛むことは、満腹感を得るために大事なこと。噛む回数が多くなると、満腹中枢を刺激するため満腹感を得られやすくなります。
また、食欲抑制ホルモンであるレプチンが分泌されるのは食事から20分後。噛む回数が増やして食事時間がゆっくりとなれば、レプチンの分泌によって適正な食事量に留めることが可能です。
噛む回数の目安は、一口で30〜50回。普段よく噛まずに食べている癖がある人は、よく噛むことを意識してみましょう。
運動する
運動はセロトニンの分泌を増やすために有効です。運動の中でも、ジョギング・ウォーキング・踏み台昇降・ダンスなどの一定のリズムで繰り返す運動が良いとされています。
ただし、大きな負担を掛ける必要はありません。息が軽く切れる程度の軽い運動のほうが効果的です。
日光を浴びる
日光を浴びることでセロトニンの分泌を促すことができます。朝起きたら日光を当たる。これだけで心の安定につながりますし、生活リズムを整えることができます。
昼夜が逆転しているような不規則な生活は、日光を浴びる機会が少なく、精神の不安定や余計な食欲にもつながります。
首のストレッチ
首のストレッチでセロトニンの分泌を促すことができます。首回しや伸ばすなどストレッチをしましょう。
腸を温める
腸内環境と脳には密接な関係があります。大きなストレスを抱えるとお腹の調子が悪くなることはよく知られていますが、逆に腸の活動を整えることで、精神的に安定させることにも繋がると言われています。
そこで手軽にできるのが、腸を温めること。腸を温めることで、脳内でセロトニンが分泌されるようになっています。また、腸内環境と精神状態が関係しているという研究結果も出ています。
腸内環境が整っていると、代謝が促進されダイエットや美肌に良いと言われていますが、精神的な面にも影響を与えます。
よく寝る
睡眠不足になると、食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌が減少し、食欲増進ホルモンであるグレリンの分泌が増加することがわかっています。
また睡眠不足の人は、通常より食欲が25%増え、1日の摂取カロリーが350〜500kcal多く摂取しているとも言われています。
目標を持つ
ダイエットで成功するために、明確な目標を持つことが効果的です。
脳は、明確な目標を持つことで、無意識に目標に向けて行動を取るようにしていくと言われています。何キロ痩せたいのか、痩せたら買いたい服は何か、明確な目標を定めましょう。
ただし、注意したいことがひとつ。それは、目標設定を高くしすぎないこと。目標が高過ぎると、それがストレスになってしまいます。
まずは、小さな目標を立てるようにしましょう。例えば、10キロ痩せたいなら、いきなり10キロ痩せる!ではなく、まずは1キロ痩せる、間食を半分にするでも良いでしょう。
小さな目標を達成(1キロ痩せた、間食を半分に減らせたしたら)、次の小さな目標を立ててましょう。目標達成(成功体験)を重ねていくことで、モチベーションを維持することができます。
ポジティブな言葉をつぶやく
脳は、イメージや思考に向かうようになっています。また、言葉にも影響され認識されます。そのため、言葉一つでダイエット成功に近づくことが可能です。
ネガティブな言葉が多くなっていませんか?ポジティブな言葉に変えていきましょう。
「お腹いっぱいで満足。」
食事を終えたら、「お腹いっぱいで満足!」と口にしてみましょう。少量でもお腹が満たされた気分になるそうです。実際この方法で、ダイエットに成功した人もいます。
NGワードは、「お腹すいた」。口癖になっていませんか?ついつい言っていってしまう言葉が、余分に食べてしまう原因になっているかもしれません。
「いただきます。ごちそうさま。」
食事の前後の「いただきます。」と「ごちそうさま」このこの言葉は、食事にメリハリをつけるために効果的。
「ダイエットが成功している」
ダイエット中は、「ダイエットが成功している」と口にしてみましょう。ダイエット中は不安になると継続できなくなります。ポジティブな言葉でモチベーションを上げていきましょう。
まとめ
ダイエットのために食事法や運動を学んでもダイエットに失敗してしまうのは、あなたの行動を脳が支持しているからです。
脳を騙す、うまくコントロールすることで、理想のカラダに近づけるかもしれません。参考にしてみてくださいね。