寒くなった季節に飲むイメージがある甘酒。しかし、最近では栄養価が高いことが注目され、季節を問わず飲む人が多く見られるようになりました。
そこで今回は、甘酒の栄養価と期待できる効果についてご紹介します。
甘酒とは?
江戸時代の”栄養ドリンク”だった甘酒
甘酒は、栄養価が非常に高く『飲む点滴』と呼ばれるほどです。江戸時代には、栄養ドリンクとして飲まれていました。
また、甘酒はカラダを温めてくれる飲み物として寒い冬に飲む、と連想する人も多いかもしれません。
しかし、江戸時代では、夏バテ防止のために、夏に飲まれていました。
甘酒の種類
甘酒には、大きく分けて2種類にわけられます。
ひとつは、主原料の米麹を発酵させたもの。ノンアルコールで米本来の甘みを感じられるもの。
もうひとつは、酒粕を主原料に砂糖を加えたものでアルコールの入ったものです。
甘酒のカロリーと栄養
栄養素が豊富な甘酒
栄養価が高いと言われる甘酒。その栄養価をご紹介します。
以下の表から、甘酒には、ビタミンB群やミネラルなど多くの栄養素が含まれていることが分かります。
甘酒100gあたりの主な栄養素 | |
---|---|
エネルギー | 81kcal |
たんぱく質 | 1.7g |
脂質 | 0.1g |
糖質 | 17.9g |
食物繊維 (水溶性・不溶性) |
0.4g (0.1g・0.3g) |
ナトリウム | 60mg |
カリウム | 14mg |
カルシウム | 3mg |
マグネシウム | 5mg |
リン | 21mg |
鉄 | 0.1mg |
亜鉛 | 0.3mg |
銅 | 0.05mg |
マンガン | 0.17mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 0.2mg |
ビタミンB6 | 0.02mg |
葉酸 | 8μg |
※ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)を参照。また、文部科学省『「日本食品標準成分表2010」について第3章の16』では、以下のように明記されているため、米麹を使った甘酒と考えられます。
「甘酒」は、通常、米麹(こうじ)、米飯、水とを混和し、50~60 ℃で、12~24時間保温、糖化させて造られ日本古来の飲料である。なお、甘酒はアルコール分をほとんど含まない。成分値は、分析値に基づき決定した。
その他に含まれている成分
ブドウ糖
甘酒の糖質には、ブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は、単糖類に分類されるもので、炭水化物を分解されたものです。その働きは、脳や筋肉を動かすためのエネルギーになります。
オリゴ糖
甘酒の糖質には、オリゴ糖も含まれています。オリゴ糖は、胃・小腸で消化・吸収されにくく、大腸までそのまま届きます。オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサとなるため、腸の働きを助けてくれます。
アミノ酸
甘酒には、体内で合成できない必須アミノ酸が多く含まれています。
例えば、福岡県の㈱篠崎さんで販売している米麹甘酒『国菊 あまざけ』のアミノ酸の含有量は以下のようになっています。
『国菊 あまざけ』 100gあたりの必須アミノ酸 |
|
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バリン | 91mg |
ロイシン | 122mg |
イソロイシン | 61mg |
リジン | 55mg |
メチオニン | 36mg |
フェニルアラニン | 80mg |
トリプトファン | 21mg |
ヒスチジン | – |
スレオニン | 56mg |
コウジ酸
麹を原料とする甘酒には、コウジ酸が含まれています。
コウジ酸には、シミの原因となるメラニンの生成を防ぐ働きがあることがわかっています。
酒造りの杜氏(トウジ)の手が白くツヤツヤである理由も、このコウジ酸の影響と考えられています。
甘酒で期待できる効果
美肌効果
甘酒には、ビタミン群・アミノ酸・コウジ酸など、美肌作りに欠かせない成分が含まれています。
ビタミンB2は、細胞の再生、。アミノ酸は肌の潤い。コウジ酸には、メラニン生成を抑制し美白効果が期待できる成分です。
目の下のクマ改善
甘酒を継続的に飲用することで、目の下のクマが改善されることが、森永製菓と東京工科大学の前田憲寿医学博士で共同研究で明らかになりました。
⇒『“酒粕”と“米麹”を使用した甘酒』の飲用で“目の下のクマの改善”が見られました!|森永製菓
髪質改善
甘酒に含まれているコウジ酸は、頭皮を若返られる効果が期待できます。この効果により、ツヤのある髪質作りの手助けをしてくれます。
便秘解消
『ジャパニーズヨーグルト』とも呼ばれている甘酒。その理由は、甘酒に食物繊維とオリゴ糖が含まれているからです。食物繊維とオリゴ糖が、腸内環境を整え便秘改善が期待できます。
ダイエット効果
甘酒には、代謝促進のビタミン群や、腸内環境を整える食物繊維・オリゴ糖が含まれています。代謝促進・腸内環境を整えることは痩せやすい体質を作るために重要です。
食べ過ぎ防止
甘酒のブドウ糖により血糖値を上げ、満腹感を得やすくなります。また、自然の甘みもダイエット中の食べ過ぎを防ぐ理由のひとつです。
甘酒を使ったダイエット方法
甘酒は、美容やダイエットに適している飲み物。では、ダイエット時には、どのように取り入れたら良いのでしょうか。
甘酒を飲むタイミング
間食
ひとつは、普段の間食に甘酒を取り入れる方法です。
甘酒は低カロリーで程よい甘みがあり、血糖値を上げてくれるため、満腹感を得やすいためです。また、無理に間食を我慢ぜずに、甘酒を飲むことで食べ過ぎを防止することができます。
食前
食前に甘酒を飲み血糖値を上げることで、食べ過ぎを防止します。
置き換え
1食を甘酒に置き換える方法です。
低カロリーで程度な糖質と多くの栄養素を含んでいるため、1食を置き換えることで、栄養を摂取しながら摂取カロリーを抑えることができます。
また、1食を甘酒に置き換えることで内臓を休めデトックス効果が期待できます。置き換えのタイミングは、朝食もしくは夕食です。
ダイエット効果を期待するなら米麹甘酒
ダイエットのために甘酒を取り入れるなら、米麹甘酒にしましょう。
酒粕を主原料にした甘酒も栄養価が高いのですが、砂糖が加えられているために高カロリーとなっています。
キレイの秘訣?永作博美さんが飲む”甘酒豆乳”とは
女優の永作博美さんが飲んでいることで注目されている甘酒豆乳。その名の通り甘酒を豆乳で割ったものです。
腸内環境を意識して飲み始めたという永作博美さんは、毎朝甘酒豆乳を飲んでいるそうです。
豆乳には、たんぱく質やビタミン・ミネラルが豊富。また、女性ホルモンに似た働きを持つ大豆イソフラボン、肥満予防や抗酸化作用が期待できるサポニン、腸内環境を整えるオリゴ糖と、女性に嬉しい成分が多く含まれています。
40代でもキレイな秘訣は、甘酒豆乳にあるかもしれませんね。
【甘酒豆乳の作り方】
永作博美さんは、コップ1杯の豆乳に大さじ2杯程度の甘酒を混ぜて飲んでいるそうです。
しかし、豆乳と甘酒の割合を1:1にするなど、お好みでOK。ただし、豆乳は、砂糖が加えられていない無調整豆乳にしましょう。
甘酒を美味しくアレンジ
甘酒豆乳以外にも、美味しく飲めるアレンジ方法をご紹介します。
生姜
生姜には、カラダを温める成分が含まれていて、血行・代謝促進によるダイエット効果や美肌効果が期待できる食べ物です。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、kumi0901さんのレシピです。
チューブしょうがを使えば簡単に作れますね。
きな粉
大豆からできているきな粉には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが豊富。食物繊維やオリゴ糖も含まれているので、腸内環境を整える効果が期待できます。
出典:クックパッド
こちらも、kumi0901さんのレシピです。口コミでも評判の組み合わせです。
ごま
ごまは、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維など多くの栄養素を含む食品です。また、セサミンは代謝促進や抗酸化作用を持っています。
出典:レシピブログ
レシピブログに投稿されている、ayumiさんのレシピです。きなこも一緒に加えた甘酒です。
ココア
純ココアもビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。またカカオポリフェノールは、脂肪吸収抑制・血行促進・抗酸化作用などダイエットや美容効果が期待できる成分です。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、michitarouさんのレシピです。
ココアだけでなく豆乳を加えることで飲みやすくなるようです。
まとめ
冬の飲み物と思われていた甘酒は、栄養価が高くダイエットや美肌作りにピッタリの飲み物です。
飲むタイミングや豆乳やきな粉などを加えたりして、うまく取り入れてみてくださいね。