体脂肪を効率的に減らしたい。短期間で痩せたい。そんな人に注目されているダイエットの一つが、ケトン体ダイエット。
最近では、テレビや雑誌等でも取り上げられているので、聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、そのやり方がわからないという人も多いようです。
今回は、ケトン体ダイエットの方法や効果についてご紹介します。
ケトン体ダイエットとは
ケトン体ダイエットは、アメリカの医師ロバート・アトキンス氏が考案したダイエット方法で、アトキンスダイエットとも呼ばれているものです。
ケトン体ダイエットは、脂肪を分解し作られる「ケトン体」をエネルギーとする体質にして、体脂肪の燃焼を促進しダイエットする方法です。
日本では、医学博士で長寿医学・加齢制御医学の専門家である白澤卓二氏の著書
- 『2週間で効果がでる! ケトン食事法』
- 『いちばんやさしいケトジェニックダイエットの教科書』
医師で「機能性医学」の第一人者である斎藤糧三氏の著書
- 『腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット』
- 『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! ケトジェニックダイエット』
またテレビや雑誌等でも取り上げられたことで、日本でも注目されているダイエット方法です。
ケトン体とは?
私たちのカラダは、糖質を体内で分解したブドウ糖をエネルギーとしています。
しかし、人間の機能には、もうひとつエネルギーとすることができる「ケトン体」があります。
ケトン体は、体内のブドウ糖が枯渇すると、代わりのエネルギー源として体内の脂肪を使って、肝臓からケトン体を作り出します。
ケトン体ダイエットで期待できる効果
脂肪燃焼効果
ケトン体ダイエットを行うと、ケトン体を使う体質になります。ケトン体は、体内の脂肪を燃焼することでエネルギーに変えます。そのため、効率的に体脂肪を減らすことが期待できます。
食欲抑制効果
糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。すると、正常値に戻すためにインスリンというホルモンが分泌され血糖値を下げようとします。
白米や食パンなどの炭水化物を食べた場合、血糖値が急激に上がると、インスリンも過剰分泌されます。すると、血糖値が正常値よりも下がってしまうため、低血糖になり、空腹感が生まれます。
炭水化物などや甘いお菓子を食べた時に満足感がありますが、すぐになにか食べたくなるのは、この血糖値が関係しているのです。
ケトン体ダイエットでは、最小限の糖質量に抑えるため、血糖値が安定します。そのため過剰な食欲を抑制してくれます。
アンチエイジング効果
ケトン体ダイエットは効率的に体脂肪を燃焼出来るだけでなく、アンチエイジング効果も期待できます。
カリフォルニア大学のエリック・バーデン教授らの研究により、ケトン体を作り出すことに、長寿遺伝子(サーチュイン3)が関与していることがわかっています。
また、ケトン体の一種βヒドロキシ酪酸に抗酸化作用があることも、この研究で明らかになっています。
スタミナ向上
サッカーの長友選手が、ケトン体を意識した食事をしていることで知られています。
糖質をエネルギーとした場合、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられます。しかし、十分に蓄えられても5時間程度しか保ちません。
ケトン体が使われる体質になれば、体脂肪もエネルギーとして使われやすくなるため、スタミナが向上するというわけです。
長友選手は、ケトン体を意識した食事に変えたことでパフォーマンスが向上し、出場時間も増えたようです。
ケトン体ダイエットの基本的な方法
①.はじめの2週間は糖質20gまで
はじめの2週間は、1日の糖質量を20gまでに制限します。
ごはんや食パンなどの炭水化物はもちろん、果物、豆類、一部の野菜、調味料などにも糖質が含まれているため、これらにも注意する必要があります。
②.2週間以降は糖質40g
2週間が過ぎたら、糖質量40gを目安に増やします。
③.目標体重になったら糖質は増やす
目標体重になったら、太らない程度まで糖質量を増やすことができます。
ケトン体ダイエットで注意したい食べ物と糖質量
食べても良いもの
肉類
牛・豚・鶏肉などは糖質はほとんど含まれていません。100gあたり0.5g程度なので、ケトン体ダイエット中も安心です。ただし、衣がついた揚げ物や調味料には糖質が多いので注意が必要です。
魚介類
魚類・貝類も100gあたり0.5g程度なので食べられます。肉類と同様、衣のついた揚げ物や調味料には注意です。
卵
鶏卵は100gあたり(2個分)で糖質0.3g。
チーズ
牛乳は100gあたり4.8g、無糖ヨーグルトは5g前後と比較的糖質が含まれているのですが、チーズは、100gあたり2g前後と低くなっているので、食べ過ぎなければ問題ありません。
葉野菜
野菜の中でも葉野菜は糖質が低くなっています。ブロッコリーは100gあたり0.8g、ほうれん草は0.3g、小松菜は0.5gとなっています。
注意が必要なもの
ヘルシーな食べ物である豆類ですが、糖質は意外と含まれています。納豆は、1パックで3.3g。豆製品の中でも糖質は多めです。食べ過ぎに注意が必要です。
- 木綿豆腐…100gあたり1.2g
- 絹豆腐…100gあたり1.7g
- 納豆…100g(約2パック)あたり6.6g
- 無調整豆乳…100gあたり2.9g
また、ダイエット中も間食に向いているナッツ類も、比較的糖質を含んでいます。ただし、たくさん食べられるものではないので、大きな問題はないでしょう。
- アーモンド…100gあたり10.8g
- かぼちゃの種…100gあたり4.7g
- くるみ…100gあたり4.2g
- マカダミアナッツ…100gあたり5.0g
避けるもの
炭水化物全般
ごはん、パン、麺類などは糖質を多く含んでいるため、全般的に避ける食べ物になります。
果物
果物は、100gあたり10g前後の糖質が含まれています。バナナは20g以上。はじめの数週間は避けたほうが良いでしょう。
いも類
いも類も糖質が多い食べ物。さつまいもは100gあたり29.7g、さといも11.6g、じゃがいも16.3g。
菓子類・清涼飲料水
砂糖を使用している菓子類・清涼飲料水はNGです。
ケトン体ダイエットのメリットとデメリット
ケトン体ダイエットには、メリットとデメリットがあります。
ケトン体ダイエットのメリット
1.短期間で結果が出やすい
個人差がありますが、多くの人が短期間で体重に変化があります。
2.痩せやすい体質を作れる
カラダの脂肪をエネルギーに変えるので、効率的に体脂肪を燃焼する体質になります。
ケトン体ダイエットのデメリット
1.はじめの2週間は厳密な糖質制限が必要
はじめの2週間は1日の糖質は20g。普段炭水化物を中心にした食事をしている人や、お菓子が好きな人にとっては、とても大変な摂取量の制限です。
2.ケトン体ダイエット後も糖質制限は必要
目標体重になってからは、比較的糖質を摂取しても良いとしてます。しかし、あくまでも体重が増えない程度まで抑える必要があります。
また、糖質を多く摂る食事が続くと、ケトン体からエネルギーが作られなくなり、ブドウ糖からのみエネルギーを作る体質に戻ってしまいます。
ケトン体が使われる体質を維持するためには、ダイエット終了後も糖質量には気をつけることが大事です。
3.体臭・口臭
ケトン体が血中に増えると、ケトン体のひとつアセトンが原因でケトン臭がする場合があります。
まとめ
ケトン体ダイエットは、ケトン体をエネルギーにする体質を作ることで、効率的に体脂肪を燃焼するダイエット方法です。
糖質制限ダイエットに興味がある人や、短期間で痩せる必要がある人は、参考にしてみてください。