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世の中には、様々なダイエット方法が存在します。魅力的なフレーズで、痩せたいと強く願うあなたを誘惑することもあるでしょう。
では、そのダイエット方法は本当に効果があるものなのでしょうか?それを見抜く自信はありますか?
もしかしたら、流行りのダイエット方法で痩せることはできるかもしれません。しかし、ある重要な部分が欠けていると、リバウンドして体重は元通り。さらには、カラダが重い、イライラする、肌トラブルなどにもつながってしまいます。
ダイエット中でも知っておかなくてはいけないこと。それは、カラダに必要な栄養素はしっかり摂取すること。
キレイに痩せたいと強い想いで始めたダイエットも、栄養不足によって失敗に終わるという人も少なくありません。
今回は、ダイエットを始める前に知っておきたい栄養についてご紹介します。
間違えたダイエット方法をしていませんか?
あなたは、以下のようなダイエットをしていませんか?
・○○を食べるだけでダイエット
・カロリー制限をしている
・間食に低カロリーなものを食べている
・食べる量を減らす
・野菜中心の食事をしている
・脂肪分は避ける
もしも、あなたがこれら一つでも当てはまるなら、「間違えたダイエット」をしている可能性があります。
これらに当てはまるダイエットをすると、以下のような結果を招く可能性が高くなります。
・なかなか痩せることができない。
・痩せたけどリバウンドしてしまった。
・体調が悪い。
・肌・髪がカサカサになってしまった。
ダイエット失敗の原因は「栄養不足」
定番のものや流行りのダイエット。これら様々な方法がありますが、これらでダイエットができないのは、理由があります。それは「栄養不足」です。
具体的なダイエット方法を例にして、栄養不足なってしまう理由をご紹介します。
定番ダイエットの落とし穴
カロリー制限ダイエット
定番のダイエットであるカロリー制限ダイエット。カロリーのとり過ぎが太る原因と考えられていますよね。
しかし、カロリーだけで、太る・痩せるが決まるわけではありません。必要な栄養を十分に摂取することが大事です。カロリーばかりを気にして脂質や肉類を避けてしまうと、必要な栄養素も減らしてしまう可能性が高くなります。
また、間食は不足しがちな栄養を摂取する良いタイミング。しかし栄養を気にせず低カロリーなものを選んでしまうことで、栄養摂取のチャンスを逃してしまっています。
食べる量を減らす
「太るのは食べ過ぎが原因。」これもよく言われていることです。決して間違えではありません。しかし、、栄養を考えずにただ食事の量を減らしてしまえば、「そんなに食べてないのに痩せない。」「カラダが重い。」なんてことになってしまいます。
野菜中心の食事
「野菜を中心に食べましょう。」という言葉をよく聞きますね。野菜には、ビタミン・ミネラル・食物繊維が含まれているので、栄養不足とは無縁と思われています。
しかし、野菜には3大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質)がほとんど含まれていません。食物繊維が豊富な野菜を中心に食べるとお腹が膨れるかもしれませんが、栄養バランスは偏ってしまいます。
流行りのダイエットの落とし穴
糖質制限ダイエット
炭水化物など糖質を多く含まれる食品を減らすダイエットで、人気のある方法のひとつです。
このダイエット方法は、短期間で痩せられると評判である一方、体調を崩してしまった、リバウンドしてしまった、という声も少なくありません。糖質制限ダイエットで失敗してしまう大きな理由は、栄養不足。
炭水化物など糖質を減らしただけでは栄養バランスが崩れてしまい、失敗につながってしまうのです。
8時間ダイエット
1日のうち8時間以内に食事を済ませて、16時間は食べないという方法。これまでの食事を変えなくても、食べるタイミングを変えるだけで良いという手軽さが、注目された理由です。
しかし、この方法で理想的な結果になった人とそうではない人の違い。それは栄養バランスです。食べるタイミングだけでなく、栄養バランスの良い食事にする必要があります。
もち麦ダイエット
もち麦は食物繊維が豊富、ビタミン・ミネラルも含まれている食材です。普段食べている白米にもち麦を混ぜる、もしくはもち麦に置き換える方法です。
普段の食事に加えることで、食物繊維・ビタミン・ミネラルを補うことができますが、たんぱく質は決して多くありません。また、脂質はほとんど含まれていません。
もち麦だけでは栄養バランスは整えることができないので、その他の食材でたんぱく質・脂質を摂取しなくてはいけません。
スムージードリンク
スムージードリンクは、野菜や果物から作られるドリンクです。野菜や果物に含まれる糖質・ビタミン・ミネラルを補給できますが、たんぱく質は補給できません。
1日3食のうち1食をスムージドリンクに置き換えた場合、1日に必要なたんぱく質・脂質を十分に摂取できず、栄養不足になる可能性が高まります。
酵素ドリンク
短期間でお腹がスッキリすると人気の酵素ドリンク。1食の置き換えや断食(ファスティング)に利用されます。
しかし、置き換えの場合は、スムージドリンクと同じく栄養不足になる可能性が。断食(ファスティング)では、終了後の食事に気をつけなくては、元に戻ってしまう可能性が高いです。
※ご紹介したダイエット方法を考案・提唱する医師・専門家は、栄養バランスを考慮することを指摘しています。理解せずに取り組むことが問題であり、各方法を否定するものではありません。
新型栄養失調が増えている
「新型栄養失調」という言葉を聞いたことがありますか?これは、現代の栄養失調として問題になっています。
私たちは、お腹が空いた時に、コンビニや飲食店など24時間いつでも食品を購入することが可能です。そのため、「栄養失調」と言われても、実感がない人も多いと思います。
しかし、現代の食事では、炭水化物や菓子類などによる糖質の摂取過多、ビタミン・ミネラルが不足し、カラダに必要な栄養素を十分に摂取できていないため、「飢餓状態」を招いてしまっているのです。
ダイエットの間違えた理解だけでなく、普段の食生活でも栄養が不足していることが問題になっています。
栄養への意識と摂取量
たんぱく質の関心は薄い?
『あなたが、食品を購入する際の参考として、必要だと思う栄養成分表示はどれですか(複数回答)』というアンケートでは、エネルギー(カロリー)と答えた女性が50.4%と最も多く、次いで食物繊維35.4%、ビタミン・ミネラル類35.1%、脂質は34.9%でした。
必須栄養素であるたんぱく質については、29.3%と低くなっています。年齢別でみると20〜29歳の女性では25.6%、30〜39歳女性では30.1%と共に低くなっています。
このデータから、カロリーは気にしている人はその半数以上ですが、必須栄養素のたんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルへの意識は低いと考えられます。
20年でたんぱく質摂取量は低下
たんぱく質については、この20年で摂取量が低下しているという研究データもあります。
『たんぱく質摂取量の平均値の年次推移(20 歳以上)(平成7~27 年)』では、平成7年の20〜29歳女性は74.5g、30〜39歳では74.7gです。
平成27年では20〜29歳女性は63.2g、30〜39歳で60.4gととなっていて、20年間で平均値が10g以上減っています。(20〜29歳は11.3g、30〜39歳は14.3gの低下)
ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している
『あなたが、食品を購入する際の参考として、必要だと思う栄養成分表示はどれですか(複数回答)』というアンケートでは、ビタミン・ミネラル類35.1%。決して高い数値ではありません。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が、日常生活で不足している傾向にあることがわかる調査データがあります。
平成27年「国民健康・栄養調査」の栄養素等摂取量(1人1日あたり平均値)によると、食物繊維やビタミン・ミネラルの多くが、日本人の食事摂取基準(2015年版)の摂取基準を下回っていることがわかります。
ダイエットのためにカロリー制限や食事制限をすると、更に不足してしまう可能性が高まります。
出典:平成27年「国民健康・栄養調査」、日本人の食事摂取基準(2015年版)
ダイエットで気をつけなくてはいけないこと
ダイエット中はたんぱく質不足にならないようにする
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、18歳以上の女性のたんぱく質推奨量は、50gとなっています。
『たんぱく質摂取量の平均値の年次推移(20 歳以上)(平成7~27 年)』によると、たんぱく質の平均摂取量は60g以上となっているので、普段の生活では満たされている人が多いと考えられます。
しかし、ダイエットとなると話が変わってきます。ダイエットのためにカロリーを気にしたり、食べる量を減らしたりすると、たんぱく質の摂取量が減ってしまう傾向にあります。
たんぱく質は必須栄養素であり、筋肉・肌・髪・爪・内臓とあらゆる部分を構成する必要な栄養素です。ダイエット中でも減らしてはいけない栄養素なのです。
脂質を悪者扱いしない
『あなたが、食品を購入する際の参考として、必要だと思う栄養成分表示はどれですか(複数回答)』というアンケートでは、脂質は34.9%という数値が出ています。
ここで注意したい点は、脂質を「必要栄養素」と考えているか、それとも「悪者」なのか。
「脂質は悪者」と考えているなら注意が必要です。
脂質はカラダに良くないというイメージで、特にダイエット中の人は悪者扱いしがちです。
しかし、脂質は、エネルギーやホルモンを作るために必要な栄養素。そして、体内で作ることができないn-3系脂肪酸やn-6系脂肪酸は必須栄養素になります。
脂質を悪者扱いして必要以上に避けていると、不足してしまいます。必須脂肪酸の中でもn-3系脂肪酸は不足しがちな傾向があるため、意識して摂取する必要があります。
炭水化物(糖質)の摂取量に注意
炭水化物(糖質)中心では栄養バランスが崩れる
おにぎりとお茶、サンドイッチとコーヒー。それだけで食事を済ませていませんか?
このような食事で済ませていると、摂取カロリーが低く、たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルと必須栄養素が圧倒的に足りず、栄養不足になってしまいます。
おにぎりやサンドイッチだけでなく、お肉・魚・たまご・豆類・野菜・海藻類などと一緒に食べてバランスを整える必要があります。
炭水化物(糖質)は適度な量にする
糖質が太る原因と言われることが多くなったため、糖質制限ダイエットに挑戦した人も多いのではないでしょうか。糖質制限ダイエットは正しい方法を継続していけば、不調になることなく痩せることができます。
しかし、炭水化物を減らしたり抜いたストレスでドカ食いしてリバウンド、という失敗を体験した人が多いのも事実です。そのため、無理に制限しようとしないことが良いです。
必要以上に食べてしまうと、余った分は体脂肪として蓄積されてしまいます。食べた分をエネルギーとして消費できる適量を摂取することが重要です。
野菜類・海藻類ばかり食べない
野菜や海藻類は低カロリー食材の代表。そのため、ダイエット中の食事は野菜中心にする傾向にあります。また、野菜・海藻をたっぷり食べて、お腹を満たそうとする人もいます。
野菜・海藻にはビタミン・ミネラルが多く含まれていますが、たんぱく質・脂質はほとんど含まれていません。野菜中心の食事は栄養が不足します。ダイエット・健康のつもりが、カラダの不調につながってしまいます。
野菜中心に食べるだけでなく、肉類・魚介類・豆類・たまごなども一緒に食べて、良質なたんぱく質・脂質を摂取することが必要です。
不足しがちな栄養素を多く含む食材
私たちが不足しがちな栄養素と、それらを多く含む代表的な食材をご紹介します。
■たんぱく質
肉類、魚介類、たまご、大豆製品(納豆・豆腐など)、乳製品(ヨーグルト・チーズなど)
■n-3系脂肪酸(必須脂肪酸)
亜麻仁油、えごま油、青魚、くるみ
■食物繊維
不溶性…豆類、野菜類、きのこ類、ラズベリー、アボカドなど
水溶性…にんにく、納豆、ごぼう、アボカドなど
■カリウム
アボカド、プルーン、バナナ、大豆製品(納豆、きなこ)、ほうれん草、しそ、里芋など
■カルシウム
乳製品、魚類、豆類、海藻類、しそ
■マグネシウム
大豆類、貝類
■鉄
レバー(豚・鶏)、たまご、魚類、貝類、納豆
■亜鉛
牡蠣(かき)、レバー(豚・鶏)、牛肉、チーズ、きなこ、納豆
■ビタミンA
レバー(豚・鶏)、うなぎ、たまご、しそ、にんじん、ほうれん草
■ビタミンE
いくら、たらこ、かぼちゃ、赤ピーマン、しそ、あゆ、アーモンド、アボカド
■ビタミンB1
豚肉(ヒレ・もも・肩ロース)、うなぎ、グリンピース
■ビタミンB2
レバー(牛・豚・鶏)、うなぎ、さば、納豆、たまご、チーズ
■ビタミンB6
にんにく、肉類、魚類、大豆類
■葉酸
レバー(牛・豚・鶏)、うに、芽キャベツ、パセリ、ブロッコリー、納豆
■ビタミンC
赤ピーマン、パセリ、芽キャベツ、ブロッコリー、キウイ、いちご、柿
栄養をしっかり摂取するダイエット法3選
栄養をバランスよく摂るためには、様々な食材を食事に取り入れることが必要です。しかし、その食材にどんね栄養が含まれているのか覚えきれませんよね。
そこで、栄養をバランス良く摂るために参考になるダイエット方法をご紹介します。
9品目ダイエット
9品目ダイエットは、ミス日本コンテストを主催する和田研究所(ミス日本コンテスト事務局)が提唱している食事法です。この方法は、60年ほど前に考案され、ミス日本ファイナリストが実践しているものです。
その方法は、以下のようになります。
1.毎食9品目を食べる
以下の9品目を毎食必ず食べるようにします。食事量・回数に制限なくしっかり食べても良いです。
- 野菜
- 肉
- 魚
- 貝
- 海藻
- 豆類
- たまご
- 乳製品
- 油脂
2.糖質の多い食品はNG
9品目ダイエット(和田式ダイエット)では、以下のものがNG食材になっています。
- 炭水化物
- 糖質の多い野菜
- 果物
- お菓子・ジュース
- アルコール類
ただし、調理に使う小麦粉やパン粉は少量であれば問題ありません。
3.よく噛んで食べる
よく噛んで食べましょう。1口で20〜30回を目安にします。
4.食間は6時間空ける
食事と食事の間は6時間以上空けるようにします。空腹を感じたら食事をするようにします。
肉食ダイエット
肉ダイエットインストラクター・健康予防管理専門士の長谷川香枝さんが考案した肉食ダイエット。
肉食ダイエットの方法は以下のようになります。
1.1日1食はお肉を食べる
1日1食はお肉を食べるようにします。その量は150〜200gです。
2.その他の食材もバランスよく食べる
お肉以外にも、魚・たまご・大豆製品・乳製品も食事に加えるようにします。1日の食事にバランス良く取り入れます。また、野菜・海藻類・きのこ類も加えます。ただし、糖質の多い野菜には注意が必要です。
3.食べる順番を工夫して糖質は抑える
食べる順番は、汁物→野菜→肉・魚などたんぱく質の多いもの→炭水化物にします。
炭水化物は少なめにして、無理に食べる必要はありません。
4.一口29回噛む
一口につき29回は噛むようにします。
MEC食
MEC食は、こくらクリニック院長の渡辺信幸医師が考案した食事法です。肉(Meat)・たまご(Egg)・チーズ(Cheese)を中心に食べることで、1日に必要な栄養素をとる方法です。
MEC食の方法は以下のようになります。
1.肉・たまご・チーズを中心に食べる
肉・たまご・チーズを中心にした食事にします。1日に食べる量の目安は、肉200g・たまご3個、チーズ120gです。炭水化物は、基本的には控えます。
この量を食べてもお腹が満たされない場合は、肉・たまご・チーズの量を増やしても良いです。また、それでも満たされなければ、炭水化物を食べても良いです。
2.1口につき30回噛む
1口につき30回噛むようにします。
3.一口は小さく切って食べる
1口は、粒ガム程度の大きさに切って食べるようにします。
栄養バランスの良い食事が難しい人は?
これまでご紹介したように、間違えたダイエットやしっかり食べているつもりでも栄養不足になっている可能性があります。
栄養不足にならないためには、肉類・魚介類・豆類・たまご・乳製品・野菜・海藻・油脂をバランス良く食事に取り入れることがとても大事です。ここまで読んでくれたあなたは、十分理解してくださっていると思います。
そして、前述でご紹介したダイエット方法に共通するのが、よく噛んで食べること。栄養をしっかり摂取するためには、食材だけでなく、噛むことも重要です。
しかし、いくら栄養の重要性を理解できても、あなたは以下のような理由で食事内容をコントロールできないかもしれません。
料理が苦手。
毎回料理するのは面倒。
料理する時間がない。
ついついコンビで食事を済ませてします。
そのような人にオススメなのが美味しくてヘルシーな食事を提供している宅配サービスです。
まとめ
私たちはカラダに必要な栄養を十分に摂取できていない可能性があります。ダイエット中なら更にその可能性は高まります。
ダイエット中こそ、必要な栄養素を摂取することが理想のカラダになる近道です。それに加えて、よく噛んで食べるとより良いでしょう。
流行りのダイエットが気になった時は、まずは「栄養は十分に摂取できる方法なのか。」を注意してみましょう。そして、よく噛んで食べましょう。