さつまいもは太ると思っていませんか?カロリーが高いイメージがあるさつまいもですが、実は太りにくくダイエット効果がある成分も含まれています。そして、さつまいもの食べ方を工夫すれば、カラダにやさしいダイエットができます。
今回は、さつまいもにダイエット効果がある理由と、さつまいもダイエットの方法をご紹介します。
さつまいもダイエットとは?
さつまいもダイエットとは、普段食べている白米などの炭水化物をさつまいもに置き換えたり、おやつをさつまいもにするダイエット方法です。
置き換えるダイエットですが、さつまいもには、多くの栄養が含まれていますし、ダイエット効果や美肌効果が期待できる成分も含まれているため、カラダにやさしく効果が痩せ効果が高いと言われています。
さつまいものカロリー・栄養
さつまいも(生・皮なし)の主な栄養素 | ||
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100g | 300g | |
エネルギー | 134kcal | 402kcal |
たんぱく質 | 1.2g | 3.6g |
脂質 | 0.2g | 0.6g |
糖質 | 29.7g | 89.1g |
食物繊維 (水溶性・不溶性) | 2.2g (0.6g・1.6g) | 6.4g (1.8g・4.8g) |
ナトリウム | 11mg | 33mg |
カリウム | 480mg | 1440mg |
カルシウム | 36mg | 108mg |
マグネシウム | 24mg | 72mg |
リン | 47mg | 141mg |
鉄 | 0.6mg | 1.8mg |
亜鉛 | 0.2mg | 0.6mg |
銅 | 0.17mg | 0.51mg |
マンガン | 0.41mg | 1.23mg |
βカロテン | 28μg | 84μg |
ビタミンE | 1.5mg | 4.5mg |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.33mg |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.12mg |
ナイアシン | 0.8mg | 2.4mg |
ビタミンB6 | 0.26mg | 0.78mg |
葉酸 | 49μg | 147μg |
パントテン酸 | 0.9mg | 2.7mg |
ビオチン | 4.1μg | 12.3μg |
ビタミンC | 29mg | 87mg |
さつまいも1本あたりの重さは、小サイズで100g程度、中サイズが300g程度、大サイズで500gです。
さつまいもののカロリー
さつまいものカロリーは、100gあたり134kcal。
炭水化物と比較すると、白米168kcal、食パンは264kcal、うどん(ゆで)105kcal、そうめん(ゆで)127kcal、中華麺(ゆで)149kcal、パスタ(ゆで)165kcal。さつまいもは決してカロリーの高いものではありません。
さつまいものの糖質
さつまいもの糖質は、100gあたり29.7g。炭水化物と比較すると、白米36.8g、食パンは46.8g、うどん(ゆで)20.8g、そうめん(ゆで)24.9g、中華麺(ゆで)27.9g、パスタ(ゆで)30.3g。
食物繊維が豊富
さつまいもは、食物繊維が豊富です。100gあたり2.2g(皮なし)。特に不溶性食物繊維が多く1.6g含まれています。
ビタミン・ミネラルが豊富
さつまいもには、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。その中でも含有量の多い、ビタミンB群・E・C・カリウムです。
ビタミンやミネラルはエネルギーの代謝に欠かせない栄養素。さつまいもを食べることで、体に必要な栄養が摂取できます。
レジスタントスターチ
さつまいもには、難消化性デンプンとも呼ばれる特殊なデンプン、レジスタントスターチが含まれています。
レジスタントスターチは、小腸で消化されずに大腸まで届き腸内環境を整える働きがあります。また、消化されにくいため、カロリーは糖質の半分とも言われています。
ヤラピン
ヤラピンは、さつまいもだけに含まれている成分です。さつまいもを切った時に出てくる乳液状のものがヤラピンです。
ヤラピンには、便を柔らかくしたり腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激するなどの整腸作用や、胃の粘膜を保護する作用を持っています。
ポリフェノール
さつまいもには、ポリフェノールが含まれています。その中でもクロロゲン酸と呼ばれるものが多く含まれています。
さつまいもでダイエット効果が期待できる理由
低GI値で血糖値の上昇が緩やか
さつまいもは、カロリーや糖質量は、白米と比較すると多少低いのですが、大差はありません。それでもダイエット効果が期待できると言われる理由は、低GI値食品だからです。
GI値は血糖値の上昇スピードを表したもので、数値が低いと太りにくい食品と考えられています。さつまいもは55の低GI値、白米は80で高GI値になります。
さつまいもが低GI値食品である理由は、食物繊維、レジスタントスターチ、クロロゲン酸が含まれているからです。
これらには、血糖値を緩やかにする作用があるためと考えられます。そのため、カロリーや糖質量は決して低くありませんが太りにくい食べ物になります。
満腹感がある
さつまいもは、血糖値の上昇が緩やかなため腹持ちが良く、お腹が膨れやすい食べ物です。そのため、満腹感を得やすく食べ過ぎの防止にもつながります。
脂肪燃焼・糖質吸収を抑制
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸には、脂肪燃焼効果や糖質の吸収を抑制してくれる働きがあります。
クロロゲン酸は、脂肪をエネルギーに変える働きを持つミトコンドリアの働きを活性化させます。そのため、代謝が促進され脂肪燃焼効果が期待できるのです。
また、クロロゲン酸には、糖質を分解する酵素の働きを阻害するために、糖質の吸収を抑制してくれることがわかっています。
整腸作用による便秘改善
さつまいもに含まれる、食物繊維、レジスタントスターチ、ヤラピンの持つ整腸作用により便秘改善をサポートしてくれます。
腸内環境は、ダイエットと関連が深いことで注目されています。
便秘の人は、余分な栄養まで吸収しやすく太りやすい体質と言われます。また、腸内細菌にはデブ菌・ヤセ菌と言われるものが存在し、デブ菌が多い人ほど太りやすいと指摘されています。
さつまいもの不溶性食物繊維、レジスタントスターチ、ヤラピンが、便のカサを増やす、便を柔らかくする、善玉菌のエサになるなど、腸内環境を整える働きをするため、太りにくく痩せやすい体質に近づくことができるのです。
むくみ改善
さつまいもには、カリウムが多く含まれています。
カリウムは、ナトリウムと共に体内の水分バランスを整える働きがあります。ナトリウムの摂り過ぎやカリウム不足になると、バランスが崩れ体内に水分を溜め込もうとします。その結果、むくみにつながります。
加工食品をよく食べたり外食が多い人は、ナトリウムを摂り過ぎる傾向にあり、カリウムをしっかり摂取することが必要です。
ダイエット以外に美肌効果も期待できる
ビタミンEとビタミンCの相乗効果
さつまいも100gには、ビタミンEが1.5mg、ビタミンCが29mg含まれています。これは、1日の必要量で見ると、ビタミンEは25%、ビタミンCは30%に当たります。
ビタミンEは抗酸化作用を持ってるため、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。そしてビタミンCは、ビタミンEの抗酸化作用を向上させるサポート役になるため、ビタミンEとビタミンCの同時摂取は、アンチエイジング効果が期待できる組み合わせです。
またビタミンEは、血流の改善や紫外線から守るの働きを持っているため、美肌効果が期待できます。
クロロゲン酸の抗酸化作用
ビタミンEと同じく、クロロゲン酸にも抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果や美肌効果が期待できます。
腸内環境を整えることも美肌に繋がる
腸内環境が悪化していると肌にも悪影響を及ぼします。腸は栄養を吸収する器官ですが、腸内環境が悪化していると必要な栄養が吸収されず肌の健康も残ってしまうのです。
さつまいもに含まれる食物繊維、ヤラピン、レジスタントスターチの働きで腸内環境を整えることで、肌の健康を取り戻します。
さつまいもダイエットの方法
炭水化物の置き換え
さつまいもダイエットの方法のひとつは、白米などの炭水化物をさつまいもに置き換える方法です。
さつまいもに置き換えることで適度な糖質を摂取できますし、血糖値の上昇を緩やかにし太りにくくします。
また体に必要なビタミン・ミネラルも摂取できます。おかずは通常どうりにします。
1日3食のうち1〜2食をさつまいもに置き換えましょう。さつまいもは、1食につき150g。これはごはん1杯分の重さで、さつまいも中サイズの約半分になります。
置き換える時間帯は、夜が理想的です。夜は食べたものが脂肪に変わりやすい時間帯です。白米をさつまいもに置き換えることで、太る原因のひとつである糖質を抑えることができるからです。
1食を置き換える
朝食をさつまいもに置き換える方法です。この方法は、美容家の鈴木絢子が考案した『朝さつまいもダイエット』になります。
夜は外食や友人と一緒に食事する機会が多く、さつまいもが食べられない人にオススメの方法です。
詳しくは以下の記事でご紹介しています。
おやつの代用
間食をしたいなら、お菓子やファーストフードをさつまいもにしましょう。
さつまいもは程よい甘みがあり、お腹が膨れやすいため満足感を得られます。また、ビタミン・ミネラルも摂取できるため、理想的な間食になります。
さつまいものダイエット効果を高める食べ方
皮も一緒に食べる
クロロゲン酸などのポリフェノールは、表皮から5mmのところに全体の80%が存在しています。つまり、皮を捨ててしまうと、クロロゲン酸が持つダイエット効果や抗酸化作用を捨ててしまうことになります。
さつまいもダイエットでは、皮も一緒に食べるようにしましょう。
60〜70度の加熱で甘みアップ
ダイエットが長続きする秘訣は、おいしくしっかり食べること。どれだけダイエット効果がある食べ物でも美味しく食べられないと食べ続けることができません。
さつまいもを調理するときは、60〜70度程度でじっくり加熱しましょう。
さつまいものでんぷんは、β-アミラーゼと呼ばれる酵素によって分解され甘みに変わります。β-アミラーゼがよく働く温度が60〜70度です。低すぎると分解がされず、高すぎると壊れてしまいます。
おかずはバランスよく食べる
さつまいもには、糖質・ビタミン・ミネラルが含まれています。しかし、必須栄養素であるたんぱく質・脂質が含まれていないため、さつまいもだけにしてしまうと、栄養バランスが崩れ、痩せにくいカラダになってしまいます。
おかずはバランスよく食べるようにしましょう。
さつまいもダイエットで12キロ減に成功した人は?
お笑い芸人の赤プルさん(旧・赤いプルトニウム)は、テレビ番組でさつまいもダイエットに挑戦しています。
【ダイエット前】
- 体重…58.1キロ
- 体脂肪率…30%
そしてさつまいもダイエットを1ヶ月続けた結果、
【ダイエット後】
- 体重…46.5キロ(マイナス11.6キロ)
- 体脂肪率…18.9%(マイナス11.1%)
たった1ヶ月で約12キロのダイエットに成功しています。
ただし、ここまで大きく痩せた理由は、さつまいもに置き換えただけでなくエステやランニングを加えています。
赤プルさんのブログによると、置き換えるだけで3〜4キロは落とすことができたようですが、更に痩せるためには、食べること、寝ること、運動することが大事だと述べています。
詳細はこちら⇒さつまいもダイエット|赤プルの調子ん乗ってんじゃねぇかんな!!!!
まとめ
さつまいもはカロリーが高いから太る、というイメージを持っていた人もいるかと思いますが、食べ方を工夫して食生活に取り入れると、ダイエット効果が期待できる食べ物です。
また、季節を選ばずに購入できる食材なので、取り入れやすいことも嬉しいですね。
炭水化物をさつまいもに置き換えるだけでもダイエット効果が期待できますが、キレイに痩せるためには、栄養バランスを考慮した食事や運動などが必要になります。これはダイエットの基本なので、忘れないようにしましょう。