亜麻仁油は、亜麻の種子から抽出されたオイルです。
亜麻仁油には、オメガ3系脂肪酸の一種α-リノレン酸が多く含まれています。オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸ですが、私たちの生活で不足している脂肪酸。亜麻仁油なら、1日に小さじ1杯摂取することで、必要量を補うことが可能です。
また、オメガ3系脂肪酸には、美容効果が期待できる脂肪酸でもあります。
普段の生活に亜麻仁油を加えるだけでも良いですが、より効果を高めたい場合は、摂取するタイミングにこだわるのも良いでしょう。
この記事では、亜麻仁油の栄養成分と期待できる美容効果、そして摂取方法について詳しくご紹介します。
※亜麻仁(亜麻の種子)については以下の記事を参考にしてください。
亜麻仁油とは
亜麻仁油(あまにゆ・あまにあぶら)とは、亜麻という植物の種子(=亜麻仁)から抽出された油です。
フラックスシードオイル(Flaxseed oil)・フラックスオイル(Flax oil)、または、リンシードオイル(Linseed Oil)とも呼ばれています。
亜麻仁は、ヨーロッパやアメリカ、中国などで生産されています。中でもカナダは、生産量は世界一で、全体の1/3を占めると言われています。日本では、北海道のみで生産されています。
この亜麻仁には、必須脂肪酸のα-リノレン酸や抗酸化作用を持つリグナンの他、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含んだスーパーフードです。
このスーパーフードから抽出されたオイルが、亜麻仁油です。
亜麻仁油には、日本人が不足しがちと言われているオメガ3(α-リノレン酸)を多く含んでいるため、注目されています。
亜麻仁油のカロリーと栄養
亜麻仁油のカロリーは、100gあたり921kcal。一般的な油脂と変わらないカロリーになっています。
脂肪酸の割合を見ると、多価不飽和脂肪酸が70%を占めています。
また、ミネラルはほとんど含まれていません。ビタミンは、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンE、ビタミンKは微量含まれていますが、決して多くありません。
亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸の含有量がトップクラス
亜麻仁油には、ビタミン・ミネラルはほとんど含まれていませんが、オメガ3系脂肪酸(n-3脂肪酸)であるα-リノレン酸の含有量がとても多いことが特徴です。
【100gあたりの主な脂肪酸】
- オレイン酸:15.0g
- リノール酸:14.0g
- α-リノレン酸:57.og
出典: 日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編
この含有量は、一般的なオイルの中でもトップクラスです。
- 亜麻仁油:57.0g
- 菜種油:7.5g
- 米油:1.2g
- コーン油:0.76g
- オリーブオイル:0.6g
- ごま油:0.3g
- 紅花油:0.21g
オメガ3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸の一種で必須脂肪酸にあたります。また、現代の食事では不足しがちと言われている脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は、α-リノレン酸の他に、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)があります。
EPA、DHAは魚類に多く含まれていることで知られていますが、α-リノレン酸は、体内に入ると、EPA、DHAに変換されます。
【参考】
カラダで合成できない脂肪酸(必須脂肪酸)は、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸。
理想の比率は、オメガ6系脂肪酸:オメガ3系脂肪酸=4:1と言われています。
どちらも重要な脂肪酸ですが、私たちの生活ではオメガ6系脂肪酸は十分に摂取できていて、オメガ3脂肪酸の摂取が少なくなっています。、その比率は、10:1と言われています。
そのため、オメガ3系脂肪酸を意識的に摂取することが重要と言われています。
亜麻仁油に期待できる美容効果
美肌効果
オメガ3は、細胞膜やセラミドの原料となる、美肌作りには欠かせない脂肪酸です。
普段の食事でオメガ3が不足している人は、亜麻仁油を摂ることで、肌の調子を整えることが可能になります。
便秘
腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和菌と呼ばれる菌が存在します。これらのバランスが腸内環境に影響を与えます。
善玉菌が優位なことが理想的ですが、偏った食事や、便秘がちの人は悪玉菌が優位になり、腸内環境は悪くなってしまいます。
オメガ3には、腸内の悪玉菌を減らし腸内環境を整える効果が期待できます。そのため、便秘改善に役立ちます。また、便秘が改善されれば、美肌効果も期待できます。
ダイエット効果
オメガ3は中性脂肪を減らす効果が期待できます。また、血流改善や便秘改善による代謝アップが、ダイエット効果も期待できる理由になります。
美肌・ダイエット効果アップできる摂取のタイミング
亜麻仁油を摂取することで、便秘改善・美肌効果・ダイエット効果などが期待できます。
普段の食生活に亜麻仁油を加えるだけで良いのですが、摂取するタイミングも考慮した方が良いと勧める医師もいます。
ダイエット効果を狙うなら”朝”
ダイエット効果を狙うなら、オススメのタイミングは朝です。
このタイミングを勧めているのは、内科医の池谷敏郎医師。
著書に『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)、ダイエットの新習慣』(朝日出版社)など。また、『林修の今でしょ!講座』や『世界一受けたい授業』などにも出演しているので、ご存知の人もいるかもしれません。
池谷敏郎医師が朝のタイミングをオススメする理由は、出勤や家事など動く前に亜麻仁油を摂取することで、脂肪燃焼効果が高まるため。
オススメの摂取方法は、亜麻仁油入りの野菜ジュースです。野菜ジュースに含まれているビタミン・ミネラルが脂肪燃焼を助けてくれるためだそうです。
関連記事 【今でしょ講座・初耳学】林修先生のテレビ番組で紹介のダイエット方法まとめ!
美肌効果を狙うなら”夜”
美肌効果を期待する場合は、夜に摂取することがオススメ。
睡眠中は、腸が活発に動いているため、そのタイミングで摂取することで便秘改善につながり、美肌効果が期待できると言うものです。
また、α-リノレン酸は細胞膜を柔らかくする働きがあるため、肌を柔らかくしたり、肌トラブルの改善も期待できるというものです。
便秘改善されれば、代謝アップにつながるため、ダイエット効果も期待できます。
タレントのざわちんさんは、亜麻仁油と同じく、α-リノレン酸を多く含む「えごま油」を寝る前に飲んで便秘改善、肌トラブル改善、ダイエットできています。
関連記事 ざわちんが痩せた!えごま油ダイエットの効果と摂取方法!
また、MCTオイルダイエット考案の畠山昌樹医師は、MCTオイルだけでなく、寝る前に亜麻仁油を飲むことを勧めています。
関連記事 テレビで紹介されたMCTオイルダイエット!20キロ痩せたその方法は?
亜麻仁油の1日の摂取量
亜麻仁油の1日の摂取量は、小さじ1杯程度で十分なんです。それは、小さじ1杯(およそ4g)の摂取でオメガ3系脂肪酸の必要量を補うことができるからです。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015 年版)』では、オメガ3系脂肪酸の1日の目安量を、18〜49歳の女性で1.6gとしています。
亜麻仁油小さじ1杯(およそ4g)で、オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)は2.28gです。
小さじ1杯を食事に取り入れるだけなので、とても簡単に摂取できて嬉しいですね。
注意!亜麻仁油は熱に弱く酸化しやすい
亜麻仁油は、とても優秀なオイルですが、使用方法には注意が必要です。それは、熱に弱く、酸化しやすいということです。
まず、使用する際には、加熱してはいけません。成分が変化してしまいます。調理油として使わないことはもちろん、50度以上の料理にも使用するのは避けましょう。
そして、酸化しやすいので、開封後は4〜6週間を目安にして使い切るようにしましょう。また、日の当たらない冷蔵庫で必ず保存しましょう。
亜麻仁油にリグナンは含まれている?
亜麻仁(亜麻の種子)には、ポリフェノールの一種「リグナン」が含まれています。
リグナンは抗酸化作用や女性ホルモンを整える作用があり、女性に嬉しい成分です。
しかし、亜麻仁油には、リグナンは含まれていません。そのため、リグナンを摂取したい場合は亜麻仁、もしくはリグナンを含むオメガ3系脂肪酸のサプリメントを摂取する必要があります。
亜麻仁については、以下の記事でご紹介しています。
亜麻仁油のレシピ
サラダドレッシング
亜麻仁油を使ってドレッシングにする方法は定番の使い方です。
レモン汁やワインビネガーと合わせると酸味のあるさっぱりタイプ、醤油を使った和風タイプなど、様々なアレンジができます。
参考になるレシピ
管理栄養士の亜麻仁油ドレッシング by クックO9J45A☆
亜麻仁油ドレッシング♡ワインビネガーで by Susie845
サラダに市販のドレッシングと亜麻仁油を加えるのも簡単なのでオススメです。
ヨーグルトに入れるとまろやかに
ヨーグルトに亜麻仁油を入れるのも定番です。ヨーグルトに入れても違和感はなく、まろやかになると評判です。
参考になるレシピ
ヨーグルトに亜麻仁油♡ダイエットに* by 摂食障害の女狐様*
野菜ジュースやスムージーに
普段、野菜ジュースやスムージーを飲んでいるなら、そこに亜麻仁油小さじ1杯を加えるだけで、オメガ3系脂肪酸を摂取できます。これだけで、美容・ダイエット効果がアップです。
おにぎり・みそ汁・納豆に
和食の定番、ごはん・みそ汁・納豆。どれでもお好みのものに亜麻仁油を加えてみましょう。
ただし、ごはん・みそ汁は、熱々のものに入れてしまうのはNG!冷ましてから入れましょう。ごはんは冷ましても美味しいおにぎりがオススメです。
参考になるレシピ
まとめ
亜麻仁油なら小さじ1杯程度で、1日に必要なオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)を摂取することが可能です。
普段の料理に加えるだけでも良いですし、目的に合わせて摂取するタイミングを決めて摂取するのも良いでしょう。
オメガ3系脂肪酸が不足していると感じた人は、まずは無理のない範囲で、亜麻仁油を取り入れていてくださいね。