ミトコンドリアとは、私たちのカラダに存在する小器官。細胞全体のおよそ20〜30%に存在していると言われています。
ミトコンドリアには、様々な役割がありますが、その中でもエネルギーを作る器官として重要な働きをしています。
食事から摂取した糖質や脂質と酸素から、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーの元になる成分を作り出しています。
近年、ミトコンドリアには老化や健康に大きく関連しているとして注目されています。ミトコンドリアが活発に働いている、たくさんあることで、アンチエイジング・病気予防・ダイエット効果が期待できます。
しかし、ミトコンドリアも加齢や生活習慣により減ってしまったり、活動が悪くなってしまいます。
ミトコンドリアを増やす・活性化する方法があります。それは、食事や運動を工夫することです。これは難しいものではなく、誰にでもできる方法です。
今回は、ミトコンドリアを増やす・活性化するための食事・運動の方法をご紹介します。
ミトコンドリアが減少・活動の低下による症状と原因は?
ミトコンドリアが減少すると、以下のような症状が起こります。
- 体力の低下、疲れやすい
- 老化が早まる
- 代謝低下で太りやすくなる
- 病気のリスクが高まる
毎日元気に過ごしたい、いつまでもキレイな女性でありたいと願う人にとって見過ごせないものばかりです。
これは、十分にエネルギーを作り出せなくなること、そしてこの時に出る活性酸素が影響していると考えられています。
参考 ミトコンドリアと活性酸素
活性酸素は、老化や病気に大きく関わっていると考えられています。
活性酸素の約90%は、ミトコンドリアで作り出していると言われています。ミトコンドリアの働きが低下すると活性酸素が多く作り出されるため、老化や病気のリスクが高まるということです。
ミトコンドリアが減ってしまう、または活動が鈍くなる原因には、主に2つの理由が考えられます。それは、加齢と生活習慣です。
ミトコンドリアは加齢によって減っていくことがわかっています。
そして、生活習慣にも関係しています。それは、私たちが普段食べているものに含まれている食品添加物・残留農薬やストレスが関わっています。
これらは、誰もが避けることが難しいものばかり。しかし、ミトコンドリアは、食事方法や運動で増やす・活性化することが可能です。
ミトコンドリアを増やす・活性化には”飢餓状態”を作ること
ミトコンドリアを増やす・活性化するためには、飢餓状態を作ること。つまり、エネルギーが不足している、必要である状態を作ってあげることで、ミトコンドリアを刺激することが可能になります。
そのための食事法や運動方法を以下の章からご紹介します。
ミトコンドリアを活性化・増やす栄養素
ミトコンドリアを増やすと言われる栄養素は、タウリンです。
タウリンは、タコ・イカの軟体動物に多く含まれていることで知られています。その他、サザエ・ミル貝などの貝類にも多く含まれています。
ミトコンドリア研究の第一人者・太田成男氏によると、オススメなのがスルメです。
タウリンは水に溶けやすい性質のため、茹でてしまうとタウリンが減ってしまいます。そのため、茹でる必要のないスルメが良いということです。
その他、抗酸化作用を持つ成分を含む食品もミトコンドリアの活性化に良いと言われています。太田成男氏が勧めているのが、硫化アリル、リコピン、スルフォラファンです。
- 硫化アリル:にんにく、ニラ、玉ねぎなど
- リコピン:トマト
- スルフォラファン:ブロッコリースプラウト
そして、ミトコンドリアがエネルギー(ATP)を作るためにサポートしてくれる栄養素が、ビタミンB群や鉄です。
- ビタミンB群:豚肉、うなぎなど
- 鉄:レバー
空腹感でミトコンドリアを増やす
ミトコンドリアは空腹時に活動が活性化すると言われています。これは、空腹になると分泌されるホルモン「グレリン」によって、ミトコンドリアが働くためです。
太田成男氏がお勧めしているのは、週末のプチ断食。平日は通常の食事で、週末はカロリーを抑えた軽めの食事にするだけ。これなら無理のない範囲で行えるので、多くの人が取り組める方法ですね。
寒い環境でミトコンドリアを刺激する
寒い環境では、ミトコンドリアが活性化します。
「カラダを冷やすのは良くない」と言われていますが、ある程度の時間カラダを冷やすことでミトコンドリアを活性化するには効果的です。
これは、カラダが冷えると体温を上げることが必要とミトコンドリアが働くためです。
水風呂に入ったり、冷水シャワーを浴びると、はじめは寒く感じますが、その後カラダがポカポカするという体験はありませんか?これがまさにミトコンドリアを刺激し熱を発生させている状態です。
参考 首を冷やすと痩せやすい?
首を冷やすと代謝が上がり痩せやすくなると言われています。これは、首のまわりには褐色脂肪細胞が多いためです。
この褐色脂肪細胞には、ミトコンドリアが多く存在します。つまり、ミトコンドリアが多く存在する場所を冷やすことで刺激しているのです。
褐色脂肪細胞は、首のまわりの他に肩甲骨周辺(背中の周辺)やワキの下に多いと言われています。
少しキツめの素運動
運動は、健康やダイエットに良いのは常識ですよね。ミトコンドリアを活性化させるという点でも運動は良いとしてます。
そして、ミトコンドリアを活性化するためには、少しキツめの運動が効果的です。
筋肉には、白筋と赤筋に分けられます。白筋は、瞬発系の運動に使われる筋肉。赤筋はジョギングなど持久力系の筋肉です。
ミトコンドリアは、筋肉の中に多く存在していることがわかっていますが、その中で赤筋に多く含まれています。
しかし、少しきつめの有酸素運動を、運動に慣れていない人には大変なもの。
そこでおすすめの運動が以下の2つです。
1.インターバル速歩
早歩きを3分+ゆっくり歩きを3分。以上を1セットとして、5セット行う。(計30分)
これを週4回行うのがオススメです。
2.普段の生活で早歩きを取り入れる
普段忙しくて運動する時間が作れない。そのような人は、日常生活に早歩きと取り入れてみましょう。1分だけ早歩きを加えるだけでもミトコンドリアを刺激することが可能と言われています。
筋肉量を増やす
前述のように、ミトコンドリアは筋肉に多く含まれています。そのため筋肉量を増やすことも有効な方法です。
おすすめなのが、スクワット。全身の筋肉の中でも下半身には筋肉が多いからです。
関連記事 スクワットのダイエット効果がアップする正しいやり方
空腹時に運動する
ミトコンドリアを意識した運動をするなら、タイミングも重要です。
ミトコンドリアを刺激するタイミングは、空腹時です。エネルギーが不足している状態で運動することで増えやすくなります。
姿勢を正すだけでもミトコンドリアは増える
運動が苦手な人は、姿勢を正すことを意識することでもミトコンドリアを増やす事が可能です。
姿勢を保つために背筋や太ももの筋肉を使うためです。姿勢や立ち姿に注意を向けるだけでも有効な方法ということです。
オレアノール酸がミトコンドリアを増やす・活性化
オレアノール酸とは、植物に含まれている成分で、ブドウ・オリーブ・シソなどに多く含まれていることが知られています。抗酸化作用や虫歯予防の働きが期待できるとして注目されています。
その中でオリーブ葉由来のオレアノール酸は、エネルギー代謝研究の第一人者、ヨハン・オーベックス氏らの研究チームにより、トコンドリアを増やす・活性化する成分と報告されています。
オリーブ葉については、以下の記事詳しくご紹介しています。
まとめ
ミトコンドリアは、健康や老化に関係している小器官です。しかし年齢や生活習慣によってミトコンドリアは減少してしまいます。
ミトコンドリアを増やす・活性化するためには、タウリンを含む食材や抗酸化作用を持つ食材を摂取すること。また、空腹時間を作る食生活が重要になります。さらに、少しきつめの運動を取り入れることでもミトコンドリアを負やす・活性化する有効な方法です。
参考にしてみてくださいね。