豆乳が体に良いというのは、聞いたことがあると思います、でも、豆乳がどのような栄養や効果があるのか知っていますか?今回は、豆乳のカロリー・栄養、そして期待できる効果についてご紹介します。
豆乳とは
スーパーやコンビニでも購入できる豆乳。その豆乳がどのように作られているかご存じですか?
豆乳の原料は、「畑の肉」とも呼ばれる大豆から作られています。大豆を煮て、すりつぶした時に出た液体です。
豆乳には、大豆から出た液体のみで作られた「無調整豆乳」、甘味料・植物油・塩分などを添加した「調整豆乳」、果汁やコーヒーエキスを加えた「豆乳飲料」があります。
大豆は、消化が良くないのですが、豆乳にすることで消化吸収がよくなり、その吸収率は90%以上(92~98%)と言われています。
ちなみに、大豆を煮てすりつぶして出た粕が「おから」、豆乳ににがりを加えたものが「豆腐」、豆乳を煮立てた時にできる表面の膜が「湯葉」となります。
豆乳の種類
豆乳には、3つに分類されます。
- 無調整豆乳…添加物を使っていない、大豆から絞った液体のみ。
- 調整豆乳…豆乳に甘味料・食塩・植物油などを加えられたもの。
- 豆乳飲料…調整豆乳に、果汁・紅茶・コーヒなどを加えたもの。
参照:豆乳類の日本農林規格
豆乳のカロリーと栄養素
豆乳100gあたりの主な栄養素はこちら。
豆乳 | 調整豆乳 | 豆乳飲料 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 46kcal | 64kcal | 60kcal |
たんぱく質 | 3.6g | 3.2g | 2.2g |
脂質 | 2.0g | 3.6g | 2.2g |
糖質 | 2.9g | 4.5g | 7.7g |
食物繊維 | 0.2g | 0.3g | 0.1g |
ナトリウム | 2mg | 50mg | 42mg |
カリウム | 190mg | 170mg | 110mg |
カルシウム | 15mg | 31 mg | 20mg |
マグネシウム | 25mg | 19mg | 13mg |
リン | 49mg | 44mg | 36mg |
鉄 | 1.2mg | 1.2mg | 0.3mg |
亜鉛 | 0.3mg | 0.4mg | 0.2mg |
銅 | 0.12mg | 0.12mg | 0.07mg |
マンガン | 0.23mg | – | 0.13mg |
ビタミンE | 0.1mg | 2.2mg | 0.3mg |
ビタミンB1 | 0.03mg | 0.07mg | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.02mg | 0.01mg |
ナイアシン | 0.5mg | 0.2mg | 0.4mg |
ビタミンB6 | 0.05mg | 0.06mg | 0.03mg |
葉酸 | 28μg | 31μg | 15μg |
パントテン酸 | 0.28mg | 0.24mg | 0.12mg |
ビオチン | 3.9μg | – | – |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)の数値を元に、無調整豆乳・調整豆乳・無調整豆乳の栄養成分を比較すると、各ともに数多くの栄養が含まれています。
無調整豆乳は、他の2種類に比べ全体的に栄養価は高めです。ただし、ビタミンEなど一部の栄養素は調整豆乳が高くなっています。
大豆たんぱく
「畑の肉」とも呼ばれる大豆から作られる豆乳には、たんぱく質が多く含まれています。大豆たんぱくは、食べ物から摂取する必要のある必須アミノ酸がバランスよく含まれている良質なたんぱく質です。
オリゴ糖
オリゴ糖は、糖質の一種。オリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサになり、増殖をサポートしてくれます。
ビタミンB群
ビタミンB群は、代謝に欠かせない栄養素です。豆乳には、このビタミンB群がバランスよく含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用や血流改善などの働きを持っています。
カリウム
カリウムは、過剰に存在する体内のナトリウムを体外に排出する作用を持っています。
マグネシウム
マグネシウムは、たんぱく質・脂質・糖質の代謝に欠かせない栄養素です。また、カルシウムと共に骨の健康に必要とされます。
鉄分
鉄分は、貧血予防や疲労回復に必要とされる栄養素です。特に女性は不足しやすい栄養素のひとつです。
大豆イソフラボン
イソフラボンは、ポリフェノールの一種で、女性ホルモンに似た作用を持っています。
レシチン
大豆に含まれている脂質の一つで、脂質の代謝や血管内をキレイにして血流を良くする作用があります。
サポニン
大豆に含まれているサポニンは、「天然の界面活性剤」と呼ばれ、血中のコレステロールや中性脂肪を洗い流す作用があります。
豆乳に期待できる効果
豆乳には、健康や美容面で様々な効果が期待できます。
便秘改善
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌のバランスが重要です。悪玉菌が多くなってしまうと腸内環境が乱れて便秘の原因になります。
豆乳に含まれているオリゴ糖は、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌のエサになるため、善玉菌の増殖につながります。
美肌効果
豆乳には、美肌効果が期待できる成分が多く含まれています。
女性ホルモンのひとつで、コラーゲンやヒアルロン酸の生成に重要なエストロゲン。
イソフラボンは、このエストロゲンに似た作用を持っています。また抗酸化作用を持っているので、この2つの作用によって美肌効果が期待できるのです。
ビタミンEには、抗酸化作用や血流改善作用があるため、活性酸素の抑制と新陳代謝の促進で肌の健康をサポートしてくれます。
この他、ビフィズス菌による腸内環境の改善も美肌作りにつながります。
ダイエット効果
豆乳には、ダイエットに効果的な成分が多く含まれています。
- サポニン…サポニンは、脂肪吸収・蓄積を抑制と血行促進の作用。
- 大豆ペプチド…大豆たんぱく質の消化過程で作られる大豆ペプチド。基礎代謝促進。
- レシチン…脂質代謝、血流の改善。
- オリゴ糖…腸内環境を整え代謝促進。
- マグネシウム…脂肪燃焼する酵素の補助(補助酵素)になり、脂肪燃焼促進。
- イソフラボン…ホルモンバランスを整え代謝改善、脂質代謝、血流改善。
バストアップ効果
豆乳に含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモンのひとつエストロゲンに似た作用を持っています。
エストロゲンは、女性らしいカラダを作るホルモン。そのため、バストアップのサポートをしてくれると考えられています。
骨粗しょう症
大豆イソフラボンは、骨からのカルシウム流出を抑制する作用があるため、骨粗しょう症に効果的と言われています。
豆乳の注意点
豆乳は牛乳の代用になる?
まず、豆乳は、「乳」と付いているので、乳製品と思われている人もいるかもしれませんが、大豆から作られているため乳製品ではなく大豆製品になります。
牛乳の代用として料理に使用されることもありますが、植物性食品である豆乳と動物性食品の牛乳では、栄養素の性質にも違いがあります。
豆乳の飲み過ぎは危険?
豆乳に含まれる大豆イソフラボン。健康に良い効果がある一方で、大豆イソフラボンの過剰摂取によるカラダへの悪影響も懸念されています。
骨粗しょう症、乳がんや前立腺がん等の予防効果が期待されるが、一方、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性も考えられる。しかし未だ実際に多くの研究が行われている段階にあり、ヒトにおける大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していない
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A 問8:大豆イソフラボンは、ヒトの健康にどのような影響がありますか?|農林水産省
これにより、大豆イソフラボンアグリコンの1日の摂取量の目安は70〜75mg。また、食事に加えサプリメントで摂取する上限を1日30mgとしています。しかし、食品安全委員会では、以下のようにも述べています。
大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 ㎎/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく。
大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方|食品安全委員会
※大豆イソフラボンアグリコン…大豆イソフラボン(配糖体)が体内で糖を切り離したもの。大豆イソフラボン1mg=大豆イソフラボンアグリコン0.625mg。
上記を参考にしながら、単一食品に偏った食事でなくバランスよく食べることを心がけましょう。
まとめ
栄養価を見ると、豆乳がカラダに良いと言われる理由がわかると思います。
豆乳の栄養を十分に摂取できるのは、無調整豆乳ですが、飲みづらいと感じる人も多いと思います。その場合は、料理に使うと、豆乳独特の匂いや味は気になりません。
また、多少栄養価は下がりますが、飲みやすくなっている調整豆乳や豆乳飲料を選びましょう。
栄養バランスの良い食事を心がけることを基本に、豆乳もうまく取り入れてみてください。
豆乳については、以下の記事でご紹介しています。あわせて読んでみてください。