キヌア、チアシードなどスーパーフードが注目されていますが、今話題になっているのが、タイガーナッツ。モデルの道端アンジェリカさんが食べていることがメディアで取り上げられ、その注目度は高まっています。
そこで今回は、スーパーフードのひとつ、タイガーナッツの栄養や期待できる効果、そしてダイエット中の食べ方についてご紹介します。
タイガーナッツとは?
タイガーナッツとは、スペインでは「チュファ」とも呼ばれ、カヤツリグサという植物の地下茎にある塊です。名称に「ナッツ」とありますが、野菜に分類されます。
スペインでは、タイガーナッツを使用して作るタイガーナッツミルク「オルチャータ・デ・チュファ(horchata de chufa)」は国民的な飲み物として愛されています。
また、古代エジプト人の石棺の中からタイガーナッツが発見されたことから重宝されていたと考えられています。
近年では、アメリカでスーパーフードとして話題になり、日本でも注目されています。
タイガーナッツのカロリーと栄養成分
タイガーナッツには、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていると言われています。その中でも注目の栄養成分をご紹介します。
カロリー
タイガーナッツのカロリーは、100gあたり約500kcal。
食物繊維が豊富
タイガーナッツの特徴の一つが、食物繊維が豊富なこと。100gあたりで約30g。
これは、食物繊維が豊富な食べ物のと言われるアーモンドの約3倍、ごぼうの約6倍に相当します。
食物繊維には、水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維と、水に溶けず水分を吸収する性質を持つ不溶性食物繊維があります。タイガーナッツには、多くが不溶性食物繊維となっています。
ビタミンE
もうひとつの特徴は、ビタミンEが豊富に含まれていること。
タイガーナッツ製品をを販売しているタイガーナッツ・ジャパン株式会社公式サイトによると、ビタミンEの含有量は、アーモンドの2.5倍の100gあたり80mgとされています。
参考サイト:タイガーナッツはスーパーフードです|タイガーナッツ・ジャパン株式会社公式サイト
良質な脂質とオレイン酸
タイガーナッツに含まれている脂質は、100gあたり約25g。
その脂肪酸組成は、飽和脂肪酸が約18%、一価不飽和脂肪酸は約72%、多価不飽和脂肪酸は約10%。これは、オリーブオイルに脂肪酸組成に近いものになっています。
また、オリーブオイルにも多く含まれ、脂肪の蓄積を抑制する働きとして注目されているオレイン酸が、タイガーナッツにも多く含まれています。
難消化性デンプン(レジスタントスターチ)
タイガーナッツの糖質量は、100gあたり30g前後。決して少なくはありませんが、この糖質は、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)が多く含まれています。
難消化性デンプンは、通常の糖質に比べ消化されにくいため、カロリーは実質半分になると言われています。
ミネラルが豊富
タイガーナッツには、ミネラルがバランスよく含まれています。その中でも、鉄、リン、カリウム、マグネシウムが多く含まれていることが特徴です。
ミネラルは、三大栄養素であるたんぱく質・脂質・糖質の代謝には欠かせない重要な栄養素。タイガーナッツを摂取することで、ミネラルを補うことができます。
アルギニン
アミノ酸のひとつアルギニンが含まれています。アルギニンは、血管を拡張し、血流を促す働きがあるとされています。
※タイガーナッツの栄養値についての注意
タイガーナッツは、文部科学省が発表している食品標準成分表2015年版(七訂)に記載されていないため、本サイトでは、各製品に記載されているものや公式サイトの栄養成分表示を参考にご紹介しています。
そのため、栄養成分には誤差があります。中でもビタミンEについては、100gあたり4.8〜30mgと各社によって誤差は大きくなっています。
タイガーナッツに期待できる効果
ダイエット効果
1.食欲抑制
タイガーナッツに多く含まれる不溶性食物繊維は、胃の中で水分を吸収し膨張する性質があるため、満腹感を促します。
また、食物繊維と難消化性デンプンは血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるために、満腹感を持続させ食欲を抑える効果が期待できます。
2.脂肪蓄積を抑制
血糖値の上昇が緩やかになることで、体脂肪の原因となるインスリンの分泌を抑えることができます。そのため、余分な脂肪の蓄積を防止することが可能です。
3.血行促進
アミノ酸のアルギニンは、血管を拡張し血流を促進します。
また、オレイン酸は血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあることがわかっています。血中のコレステロールをコントロールすることで血流の改善につながります。
4.代謝促進
マグネシウムは、300種類以上の酵素の働きをサポートする補酵素になります。そのため、酵素の働きを活性化させ代謝を促進します。
美肌効果
ビタミンEは、抗酸化作用があります。シミ・シワの原因となる活性酸素を除去し酸化を防ぎます。
便秘改善
1.食物繊維が蠕動(ぜんどう)運動の活性化
不溶性食物繊維は、水分を含み膨張し腸を刺激することで蠕動(ぜんどう)運動を活性化させ便の排出を促します。
ただし、不溶性食物繊維の摂り過ぎは、便秘になりやすくなるため、注意が必要です。
2.オレイン酸が便の滑りを良くする
オレイン酸は、腸内で吸収されにくい性質があるため、腸を刺激し、また便の滑りを良くするため排便の改善が期待できます。
タイガーナッツの種類
皮あり・なし
タイガーナッツには、皮付きのものと皮なしのものが販売されています。
皮付きのものは、食物繊維が多く含まれています。
皮なしは、皮付きのものよりも食物繊維が少なくなりますが、食感が良いため、初めてタイガーナッツを食べる人には、皮なしのほうが食べやすいようです。
粉末タイプ
タイガーナッツを粉末状にしたものは、水・牛乳・スムージーなどに混ぜたり、小麦粉の代わりに利用するなど、料理に使用しやすいタイプです。
自身でミキサーにかけて粉末にして利用することもできますし、粉末タイプで販売もされています。
タイガーナッツオイル
オレイン酸を多く含むタイガーナッツオイル。サラダにかけたり、調理用としても使用できます。
タイガーナッツの食べ方
一日に食べる量は?
1日に食べる量は、10粒程度、多くても20粒が良いでしょう。10〜20粒で食物繊維やビタミンEをしっかり摂取できます。
食べ過ぎるとお腹の調子が悪くなる人もいるようなので、適量を摂取するようにしましょう。
食べるタイミングは?
ダイエットを目的にタイガーナッツを食べる場合は、食事の前がおすすめです。
食物繊維が豊富なために、食べ過ぎ防止や血糖値の上昇を緩やかにすることで太りにくくなる効果が期待できます。タイガーナッツを食べている道端アンジェリカさんは、夕食前に食べているそうです。
また、満腹感を促してくれるので、間食に食べることも良いでしょう。
タイガーナッツのオススメ利用法とレシピ
オルチャータ(オルチャタ・チュファ・タイガーナッツミルク)
スペインの定番ドリンク、オルチャータ(または、オルチャタ、チュファ、タイガーナッツミルク)。オルチャータの作り方は、
- タイガーナッツを一晩水につけてる。
- 水につけて柔らかくなったタイガーナッツを、水と合わせてミキサーに掛ける。
- ミキサーに掛けたものを濾(こ)す。
とても簡単に作ることができますね。以下のサイトも参考にしてみてください。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、コリーノさんのレシピです。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、Soleil182さんのレシピです。
小麦粉の代わりにクッキーやパンケーキ
小麦粉の代わりにタイガーナッツパウダーを使用することで、グルテンフリーで程よい甘みがあるため、ヘルシーで美味しいクッキーやパンケーキを作ることができます。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、snoopymakoさんのレシピです。
こちらのレシピでは、オルチャータを作ったあとに残ったタイガーナッツパルプ(搾りカス)を使ったものです。
出典:クックパッド
クックパッドに投稿されている、ナタリー姫さんのレシピです。
ヨーグルト・グラノーラ・スムージーにも
タイガーナッツをそのまま、もしくは粉末にしたものをヨーグルト、グラノーラ、スムージーに加えることで、栄養価がアップします。
タイガーナッツを食べるだけで痩せられる?
タイガーナッツは、栄養価が高いスーパーフード。
食前に食べることで食欲抑制や血糖値の上昇を抑制などにより、太りにくくなる効果も期待できます。しかし、これだけで痩せることは難しいものです。
ダイエットの基本は、カラダに必要な栄養を食事から摂取すること。また、痩せやすく太りにくい体質にするために、運動を取り入れることが必要です。そのサポートとしてタイガーナッツを取り入れましょう。
まとめ
タイガーナッツは、普段の食事に少量加えるだけで、様々な栄養を補うことができます。また、食事前に摂取することで食べ過ぎ防止や太りにくくなる効果も期待できます。
カロリーは、100gあたり約500kcalと決して低くはありませんが、1日10粒程度なら気にする必要のない範囲です。ダイエットや美容のための栄養管理に使ってみてくださいね。