牛肉は、私たちの食生活に欠かせない食材の一つです。たんぱく質が豊富で、ビタミン・ミネラルもバランス良く含まれていて、美容や健康のためにも、積極的に食べる必要があります。
牛肉と言っても、その部位によって含まれている栄養価に違いがあります。そこで、今回は牛肉の各部位のカロリー・栄養についてご紹介します。
牛肉の内臓については以下の記事を参考にしてください。
牛肉の主な部位
- 肩(chuck)…脂肪分が少なく、コラーゲンを多く含む部位。肩ロースは、脂身が適度に含まれている部位。
- リブロース(rib)…背肉の真ん中の部位。
- サーロイン(shortloin)…背肉の後ろの部位。
- ばら(flank)…あばら骨あたりの部位。カルビと呼ばれている部位。
- もも(round)…ももの部位。
- ランプ(sirloin)…腰からお尻にかけての部位。ラムイチ、ラムとも呼ばれています。
- ヒレ(tenderloin)…サーロインの内側の部位。
牛肉のカロリー・栄養一覧
牛肉(輸入)100gあたりの栄養素【1】 | ||||
---|---|---|---|---|
肩 | 肩ロース | リブロース | サーロイン | |
エネルギー(kcal) | 180 | 240 | 231 | 298 |
たんぱく質(g) | 19.0 | 17.9 | 20.1 | 17.4 |
脂質(g) | 10.6 | 17.4 | 15.4 | 23.7 |
糖質(g) | 0.1 | 0.1 | 0.4 | 0.4 |
食物繊維(g) | 0 | 0 | 0 | 0 |
ナトリウム(mg) | 54 | 49 | 44 | 39 |
カリウム(mg) | 320 | 300 | 330 | 290 |
カルシウム(mg) | 4 | 4 | 4 | 3 |
マグネシウム(mg) | 20 | 18 | 20 | 18 |
リン(mg) | 170 | 150 | 170 | 150 |
鉄(mg) | 1.1 | 1.2 | 2.2 | 1.4 |
亜鉛(mg) | 5.0 | 5.8 | 4.7 | 3.1 |
銅(mg) | 0.08 | 0.07 | 0.07 | 0.06 |
マンガン(mg) | – | 0.01 | 0.01 | 0 |
ビタミンA(μg) | 7 | 10 | 9 | 10 |
ビタミンD(μg) | 0.3 | 0.4 | 0.4 | 0.6 |
ビタミンE(mg) | 0.6 | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
ビタミンK(μg) | 3 | 5 | 4 | 5 |
ビタミンB1(mg) | 0.08 | 0.07 | 0.08 | 0.05 |
ビタミンB2(mg) | 0.22 | 0.2 | 0.16 | 0.12 |
ナイアシン(mg) | 3.0 | 3.5 | 5.0 | 4.9 |
ビタミンB6(mg) | 0.26 | 0.25 | 0.37 | 0.42 |
ビタミンB12(μg) | 2.2 | 1.8 | 1.3 | 0.6 |
葉酸(μg) | 5 | 7 | 7 | 5 |
パントテン酸(mg) | 0.89 | 1.0 | 0.85 | 0.52 |
ビオチン(μg) | – | – | 1.4 | – |
ビタミンC(mg) | 1 | 1 | 2 | 1 |
牛肉(輸入)100gあたりの栄養素【2】 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ばら | もも | そともも | ランプ | ヒレ | |
エネルギー(kcal) | 371 | 165 | 215 | 234 | 133 |
たんぱく質(g) | 14.4 | 19.6 | 18.7 | 18.4 | 20.5 |
脂質(g) | 32.9 | 8.6 | 14.3 | 16.4 | 4.8 |
糖質(g) | 0.2 | 0.4 | 0.3 | 0.4 | 0.3 |
食物繊維(g) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ナトリウム(mg) | 52 | 41 | 48 | 45 | 45 |
カリウム(mg) | 230 | 310 | 320 | 310 | 370 |
カルシウム(mg) | 4 | 3 | 4 | 3 | 4 |
マグネシウム(mg) | 14 | 21 | 20 | 20 | 24 |
リン(mg) | 230 | 170 | 170 | 170 | 180 |
鉄(mg) | 1.5 | 2.4 | 1.1 | 1.3 | 2.8 |
亜鉛(mg) | 3.0 | 3.8 | 2.9 | 3.4 | 2.8 |
銅(mg) | 0.05 | 0.08 | 0.08 | 0.1 | 0.11 |
マンガン(mg) | 0 | 0.01 | – | – | 0.02 |
ビタミンA(μg) | 24 | 5 | 9 | 10 | 4 |
ビタミンD(μg) | 0.4 | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.4 |
ビタミンE(mg) | 1.1 | 0.5 | 0.8 | 0.7 | 0.8 |
ビタミンK(μg) | 13 | 4 | 6 | 5 | 2 |
ビタミンB1(mg) | 0.05 | 0.08 | 0.06 | 0.09 | 0.1 |
ビタミンB2(mg) | 0.12 | 0.19 | 0.16 | 0.24 | 0.25 |
ナイアシン(mg) | 3.9 | 5.0 | 4.3 | 4.0 | 4.7 |
ビタミンB6(mg) | 0.28 | 0.44 | 0.37 | 0.44 | 0.39 |
ビタミンB12(μg) | 1.3 | 1.5 | 1.3 | 1.9 | 2.0 |
葉酸(μg) | 5 | 8 | 6 | 7 | 5 |
パントテン酸(mg) | 0.5 | 0.78 | 0.8 | 0.91 | 1.26 |
ビオチン(μg) | – | – | – | – | – |
ビタミンC(mg) | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
※肩、肩ロース、リブロース、サーロイン、もも、外もも、ランプは、脂身つきの数値になります。
牛肉の部位でカロリー・栄養を比較
牛肉のカロリーが低い順は?
日本食品標準成分表2015年版(七訂)を参考に、牛肉のカロリーが低い順は以下のようになります。
- ヒレ…133kcal
- もも…165kcal
- 肩…180kcal
- 外もも…215kcal
- リブロース…231kcal
- ランプ…234kcal
- 肩ロース…240kcal
- サーロイン…298kcal
- ばら…371kcal
ヒレ、もも、肩は脂身が少ないため、カロリーが低くなっています。逆に、ばら、サーロインは脂身が多いためカロリーは高めになります。牛肉の脂身は美味しい部分ですが、カロリーが気になる人は、赤身と脂身(白い部分)を目安にして選ぶと良いでしょう。
牛肉のたんぱく質が多い順は?
- ヒレ…20.5g
- リブロース…20.1g
- もも…19.6g
- 肩…19.0g
- 外もも…18.7g
- ランプ…18.4g
- 肩ロース…17.9g
- サーロイン…17.4g
- ばら…14.4g
牛肉は、どの部位も高たんぱく質となっています。その中でも最も高たんぱく質な部位は、ヒレ。100gあたりで20.5gとなっています。最もタンパク質量が少ないのは、バラで14.4g。
ヒレは、牛肉の部位の中でも低カロリー高たんぱく質であることがわかります。ダイエット中の食品として人気の理由になっています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、18歳以上の女性のたんぱく質推奨量は50gとなっています。この数値から、牛肉100g食べることで推奨量30〜40%を摂取することが可能になります。
亜鉛が多く含まれている牛肉の部位は?
牛肉には、ミネラルの一つ亜鉛が多く含まれていることも特徴です。
亜鉛は、たんぱく質の代謝や細胞の新陳代謝などに必要な栄養素です。そのため、亜鉛の不足は、肌荒れ、抜け毛、貧血などを招く可能性が高まります。
亜鉛が多く含まれている部位の順は以下のようになります。
- 肩ロース…5.8g
- 肩…5.0g
- リブロース…4.7g
- もも…3.8g
- ランプ…3.4g
- サーロイン…3.1g
- ばら…3.0g
- 外もも…2.9g
- ヒレ…2.8g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、18歳以上女性の推奨量は8mg、男性は10gとなっています。女性の場合、肩ロース100g食べることで、推奨量の70%以上を補うことができます。
牛肉のL-カルニチンで脂肪燃焼
L-カルニチンは、食事から摂取した脂肪をエネルギーに変えるために必要な成分です。そのため、脂肪の蓄積を抑制することが期待できるため、ダイエットで注目されている成分です。
L-カルニチンは、肉類に多く含まれていて、中でも牛肉は多く含まれています。その含有量は、豚肉の約2倍、鶏肉の約4倍となっています。
L-カルニチンが多く含まれているお肉と言えば羊肉ですが、馴染みのあるお肉の中では、牛肉が最も多いことになります。
まとめ
牛肉は、良質なたんぱく質が豊富で、ビタミン・ミネラルがバランスよく含まれています。中でも新陳代謝に欠かせない亜鉛が多く含まれています。
また、脂肪燃焼効果が期待できるL-カルニチンも多く含まれているため、ダイエット向き食材と言えます。
肉類については、以下の記事でもご紹介しています。