豚の脂身ラードはダイエット・美容・健康に良い?悪い?

ラード

ラードは、豚から脂から作られた食用油脂です。ラーメンやチャーハンなどに使用されています。

しかし、ラードのような動物性油脂は肥満などの生活習慣病を招くとして避けられている現状もあります。ラードは、体に悪いのでしょうか?またダイエット中には避けたほうが良いのでしょうか?

そこで今回は、豚の脂ラードの栄養や効果、太ると言われる理由についてご紹介します。

目次

ラードとは

ラードとは

ラードは、豚から精製された食用油脂です。

ラードには、豚の脂だけを使った「純正ラード」や、牛脂やパームオイルを加えた「調整ラード」があります。また、豚の品質や部位(背脂・腹脂など)によって品質が異なります。

ラード特有の風味を活かし、ラーメンやチャーハン、野菜炒めなどに使用されます。

沖縄では、ちんすこうやサーターアンダギーなどのお菓子にも使用されます。世界的には、台湾や香港ではラードごはん、ハンガリーではパンに塗って食べる習慣があります。

ラードのカロリーと栄養

ラードカロリー栄養
ラード(精製品)100gあたりの栄養素
エネルギー941kcal
たんぱく質0g
脂質100g
糖質0g
食物繊維0g
ナトリウム0mg
ビタミンD0.2μg
ビタミンE0.3mg
ビタミンK0.7μg
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ラードのカロリーは、100gあたり941kcalです。これは一般的なオイルとほぼ同等のカロリーになっています。

栄養成分については、ミネラルは含まれていなく、ビタミンはD・E・Kが微量含まれている程度です。

ラードの脂肪酸の種類と割合

脂質を構成している脂肪酸には、大きく分けて飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸があります。そして、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けることができます。

ラード100gあたりの脂肪酸の割合は、以下のようになります。

  • 飽和脂肪酸…39.29g
  • 一価不飽和脂肪酸…43.56g
  • 多価不飽和脂肪酸…9.81g

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編

ラードは、飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸が多く含まれていることがわかります。

飽和脂肪酸は、動物性食品に多く含まれていて、代表的なものは、牛・豚・鶏などの肉類、たまご、チーズやバターなどの乳製品になります。熱に強く酸化しにくいという特徴があります。

一価不飽和脂肪酸は、牛・豚・鶏などの肉類やたまごの他に、オリーブオイル、なたね油、アボカドに多く含まれています。

肌の健康に欠かせないパルミチン酸

飽和脂肪酸のひとつパルミチン酸。ラードには20%含まれていて、様々なオイルの中でも多く含まれていることが特徴です。

<パルミチン酸含有量の比較>

  • ラード…23.0g
  • 米油…16.0g
  • オリーブオイル…9.8g
  • ごま油…8.8g
  • えごま油…5.6g
  • 亜麻仁油…4.5g
  • なたね油…4.0g

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編

※パルミチン酸は、牛脂(23.0g)やバター(22.0g)にも多く含まれています。

パルミチン酸は、抗酸化作用を持つビタミンAの吸収を高める、過剰な皮脂の分泌を抑える、血管の強固などの働きが期待できるものです。

そのため、肌の健康に欠かせない脂肪酸と言えます。これらの働きがあるため化粧品に使用されています。

オレイン酸を多く含むラード

オリーブオイルがカラダに良いとされる理由のひとつに、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸(オメガ9脂肪酸)が多く含まれていることが挙げられます。

オレイン酸の含有量は約70%で、悪玉(LDL)コレステロールを減少させ善玉(HDL)コレステロールを増やしたり、動脈硬化の予防、腸の働きを促進し便秘改善の期待できると言われています。

また、不飽和脂肪酸の中でも酸化しにくい脂肪酸です。

オレイン酸が多く含まれていることで注目されるオリーブオイルですが、ラードにもオレイン酸が多く含まれています。

その含有量は約40%で、オリーブオイルほどではありませんが、様々なオイルの中でも比較的多く含まれていることが特徴です。

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ラードの効果

ラード効果

美肌効果

パルミチン酸の働き

ラードのパルミチン酸は、抗酸化作用を持つビタミンAの吸収を高めたり、血管の健康に働きかける脂肪酸です。そのため、肌の健康に効果的です。

性ホルモンの材料になる

ラードのような動物性脂質にはコレステロールが多く含まれています。コレステロールは、体の健康に必要な栄養素であり、女性ホルモンなどの性ホルモンを作る材料になります。

女性ホルモンのひとつエストロゲンは、コラーゲンやヒアルロン酸の生成に関わっていて、美肌作りをサポートします。

スキンケアに使用

また、ラードは人間の皮膚のアミノ酸構成に近いためスキンケアとしても使用できます。肌に塗ることで保湿効果や美白効果は期待できます。ただし、肌に合わない人もいるため、肌に塗る場合は注意が必要です。

便秘解消効果

便秘の原因のひとつに、脂質不足が考えられます。「脂質の摂り過ぎは太る」という理由で脂質を控える人は、これが便秘を招いている可能性があります。

ラードに含まれているオレイン酸は、腸の働きを促進する働きがあるので、便秘改善をサポートします。

ラードは太る?痩せる?

ラードは太る?痩せる?

ラードに含まれている脂肪酸は、便秘改善や美肌効果が期待できるものです。しかし、油脂は高カロリーなため、摂取すれば太ってしまうのでは?と思っている人もいるのではないでしょうか。

摂り過ぎた脂質は吸収されず排出される?

肉・たまご・チーズを中心に食べるMEC食があります。MEC食は、体に必要な栄養素をまんべんなく摂取できる食事法です。そのため、体調管理やダイエット効果が期待できる方法として注目されています。

MEC食でダイエット・美肌効果!基本的なやり方

MEC食考案の渡辺信幸医師は、ラードをオススメしています。ラードを薦める理由には、

  • 脂質は細胞膜の主要な構成成分
  • エネルギー源となる
  • コレステロールはホルモンの前駆体
  • 酸化しにくい飽和脂肪酸が多く含まれている

などが挙げられます。

※酸化した油脂は、老化を促進させたり健康を害する可能性があるためと考えられます。

では、ラードを含む油脂は太るのでしょうか?MEC食考案の渡辺信幸医師は、摂り過ぎた脂質は吸収されずに排出されるため、脂質を多くとっても、太る原因にはならないということです。

糖質と脂質の同時摂取は太りやすい

脂質は余分に摂取した分は排出されるから太りにくいのですが、ひとつ条件があります。

脂質の摂取については、食べ合わせに注意が必要です。糖質との同時摂取は体脂肪として蓄積されやすくなります。

糖質を摂取した時に分泌されるインスリンには、脂肪分解を抑制する働きがあります。つまり、脂肪をエネルギー源として使用されなくなってしまいます。その結果、体脂肪として蓄積されてしまうのです。

ラードを単体で摂取した場合は、体脂肪として蓄積されにくいため、痩せるきっかけとなるかもしれません。

しかし、炭水化物など糖質の多い食事でラードを使用した場合は、太りやすくなるので、摂取方法に注意が必要と言えるでしょう。

まとめ

ラードには、化粧品にも使われているパルミチン酸やオリーブオイルに多く含まれているオレイン酸といった脂肪酸で構成されている食用油脂です。そのため、美肌効果や便秘改善効果が期待できる油脂です。

ラードは、カラダに必要なエネルギー源となり、美肌効果や便秘改善など美容に良いものです。

しかし、糖質と一緒に摂取した場合は、体脂肪として蓄積されやすくなるため、ダイエット中の食事に取り入れる場合は、摂取方法には注意が必要です。

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