ダイエットが原因で脂肪肝に?肝臓に負担をかける理由と解決法!

ダイエット肝臓負担

脂肪肝というと、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎなどの食事の不摂生が原因の病気という印象を持っていませんか?

これは決して間違えていませんが、最近ではダイエットが原因で脂肪肝になっている人が増えています。

そして、痩せている人も脂肪肝の可能性があります。

ダイエットしている人や痩せている人は、脂肪肝と無縁に感じているかもしれません。しかし、ダイエット中のあなたもすでに脂肪肝になってしまう可能性を持っています。

今回は、ダイエットが肝臓に負担をかけて脂肪肝になってしまう原因と、その解決法をご紹介します。

目次

そもそも肝臓の役割って何?

ダイエット肝臓

肝臓は、臓器の中でも大きく、基礎代謝の30%近くを占めています。

胃腸で消化・吸収されたものは肝臓に運ばれます。そして、以下の4つの働きを行います。

  1. 解毒作用…体内の老廃物や添加物を分解し排泄されます。
  2. 代謝…胃腸で消化吸収された栄養を体内で利用できる形に作りかえて各臓器に運ばれます。
  3. エネルギーの貯蔵…代謝された一部は肝臓に中性脂肪として蓄えられ、必要に応じて使用されます。
  4. 胆汁の生成…脂肪の消化・吸収を助ける消化液「胆汁」を生成します。

脂肪肝とは?

肝臓の細胞内に中性脂肪が過度に溜まっている状態。これは、肝臓で合成された中性脂肪が利用されずに溜まってしまい肝機能が低下してしまったために起こる病気です。

日本人の3〜4人に1人は脂肪肝と言われていて、その男女比は、女性よりも男性に多いようです。また男性の場合は30〜40代に、女性では50代から増える傾向にあります。

脂肪肝は、その症状によっては肝炎、肝硬変、最悪の場合、肝がんになってしまう可能性もあります。つまり、脂肪肝は、肝炎・肝硬変・肝がんへと進む最初の段階とも言えます。

また、脂肪肝の人は、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病を発症する確率も高くなるというデータもあります。

様々な病気につながる恐れがある脂肪肝ですが、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状はないことがほとんどです。自覚症状があった時には、すでに悪化している可能性があります。

脂肪肝の主な原因は?

アルコールの摂り過ぎ

よく知られている脂肪肝の原因が、アルコールの摂り過ぎです(アルコール性脂肪肝)。

アルコールは中性脂肪の材料となる脂肪酸を作ります。

また、肝臓でアルコールを代謝していると、脂肪の代謝を阻害してしまうため、脂肪肝になってしまうのです。

食べ過ぎと運動不足

お酒を飲まない人も脂肪肝になってしまいます。その原因は、食べ過ぎや糖質・脂質を多く含む高カロリー食の摂り過ぎです(過栄養性脂肪肝)。

食べただけ運動して消費すれば良いのですが、消費せずにいると、肝臓に蓄えた中性脂肪は使われず脂肪肝につながってしまいます。特に女性では、お菓子など甘いものを食べ過ぎることで原因になっています。

肥満の人や糖尿病の人も脂肪肝になりやすいと言われています。

肥満の人や糖尿病の人は、食事の際に分泌され血糖値を下げる働きをするインスリンの効きが悪くなっているためです。そのため、中性脂肪を溜め込みやすくなっているのです。

間違ったダイエットも脂肪肝を招く

脂肪肝になる主な原因は、アルコールの摂り過ぎ、食べ過ぎ、運動不足とご紹介しました。しかし、最近では、ダイエットが原因で脂肪肝になる例が増えています。

脂肪肝は飲み過ぎ・食べ過ぎ・運動不足が原因なので、ダイエットとは無縁のように思われるかもしれません。しかし、脂肪肝は栄養過多だけでなく、栄養不足でもなってしまう恐れがあります(低栄養性脂肪肝)。

また、ダイエットに成功して現在痩せている人も、脂肪肝の可能性があります。

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肝臓に負担をかけるダイエットとは?

ダイエット肝臓方法

正しいダイエットをしている場合は、脂肪肝になる心配はありません。問題になるのは、間違えたダイエットをしている場合です。また間違えた運動をしている人にもその可能性があります。

偏った食事制限

ダイエットのために、食事制限をして低カロリー食を心がけている人も多いと思います。

しかし、低カロリーなものばかり食べるような極度の食事制限をしている場合、偏食によって体に必要な栄養が不足し、痩せることはできても、脂肪肝になってしまう可能性があります。

その原因は、たんぱく質不足です。

胃腸で消化吸収されたものは肝臓に運ばれ中性脂肪になります。そしてたんぱく質と結びつき、リポたんぱくという物質になり血液に送り出されます。

しかし、たんぱく質が不足しているとリポたんぱくにできないため、脂肪が肝臓に蓄積され脂肪肝になってしまうのです。

たんぱく質だけでなく、糖質や脂質が不足すると飢餓状態と判断し、肝臓は体中の脂肪をかき集めようとします。この状態が続くことで脂肪肝になるのです。

リバウンドを繰り返す

ダイエットとリバウンドを繰り返すことでも脂肪肝になる恐れがあります。

短期間で体重を落とすために、摂取エネルギーを極端に抑えたり、単一の食品のみを食べる偏った食事でのダイエットをしていると、カラダが生命の危機を感じこれまで以上に、脂肪を溜め込もうと働きます。

そのため、以前の食事に戻すとリバウンドします。この時、肝臓も脂肪を溜め込もうとするため負担がかかり脂肪肝につながってしまうのです。

極端なカロリー制限や偏った食事による栄養不足だけでも肝臓に脂肪が蓄積されますが、リバウンドをすると更に蓄積されてしまうので、悪循環に陥ります。

過度な激しい運動

有酸素運動は、脂肪肝の予防や改善に有効です。しかし、運動もやり方を間違えると、脂肪肝になる恐れがあります。

激しい運動は、乳酸を発生させます。この乳酸を処理するものは肝臓です。つまり、激しい運動をすると肝臓に負担がかかり、疲弊し機能が低下してしまうのです。

肝臓の機能が低下すると、栄養の処理も十分にできないため、脂肪を蓄えやすくなってしまいます。

糖質制限ダイエットで脂肪肝になる?

糖質制限ダイエットで脂肪肝が改善されたという口コミは多く、肝臓を正常に戻すためには有効な方法と考えられています。しかし、糖質制限ダイエットによって、脂肪肝になってしまう可能性があると指摘する専門家もいます。

一部の専門家は、エネルギー源となる糖質を制限する糖質制限ダイエットは、栄養不足となり脂肪肝を招くため適度な糖質を摂取するよう指摘しています。

しかし、正しい糖質制限ダイエットでエネルギー不足になることはありません。それは、たんぱく質と脂質を多く摂取するからです。糖質制限ダイエットは、炭水化物や砂糖といった糖質が多い食べ物を制限だけでなく、たんぱく質と脂質をしっかり摂るものです。

たんぱく質や脂質を多く摂らず、これまでの食事から炭水化物などの糖質を制限する間違えた糖質制限ダイエットでは、栄養不足になり脂肪肝を招いてしまいます。

正しい糖質制限ダイエットは、脂肪肝になる心配はないということです。

肝臓に負担をかけないダイエット方法

ダイエットで肝臓に負担をかけないためには、以下の3点に気をつけましょう。

栄養バランスの良い食事

ダイエットの基本でもありますが、栄養バランスに気をつけた食事が大事になります。

私たちのカラダは、必要な栄養が不足すると脂肪を溜め込みやすくなってしまいます。ダイエット中は、たんぱく質が不足しがちです。肉・魚・大豆類などを十分に摂取するようにしましょう。

糖質制限ダイエットをしている場合は、たんぱく質や脂質を多めに摂取することで栄養バランスを良い食事になります。

食べ過ぎない

必要以上の栄養摂取は、脂肪として蓄積される原因になります。肝臓にも脂肪が蓄積されてしまいます。腹八分目を心がけたり、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

無理のない適度な運動をする

ダイエットで運動を取り入れる場合、無理のない範囲で適度な運動にしましょう。

早く痩せたいからと激しい運動をしても、脂肪は効率的に燃焼できません。脂肪を燃焼させるためには、息が軽く切れる程度、会話ができるくらいの運動を長時間するほうが効果的です。

まとめ

肝臓に負担をかけないダイエットは、体に必要な栄養を適量摂取すること、自分に合った適度な運動をすることです。これは、ダイエットの基本でもありますね。

間違えたダイエットは痩せにくい、リバウンドの原因になるだけでなく、肝臓に負担をかけて脂肪肝になる可能性もあります。カラダに良い正しいダイエットを行いましょう。

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