現代人は、たんぱく質が不足している傾向があります。外食でラーメンや丼もの食べたり、食事を菓子パンで済ませてしまったり。
また、ダイエット中で食事量が少なかったり、太るからとお肉を避けるなど、これらの食習慣はたんぱく質不足になる原因です。思い当たる人いませんか?
今回は、たんぱく質不足がダイエットや美容に悪影響を及ぼす理由をご紹介します。
たんぱく質の働き
私たちのカラダの60%は水分でできていますが、次いで、20%がたんぱく質でできています。
筋肉・内臓・皮膚・髪の毛など、私たちのカラダの多くはたんぱく質でできています。
そして、筋肉・内臓・皮膚・髪の毛を作るためや、血液・酵素・ホルモンを作るためにも必要な栄養素です。
私たちのカラダを構成する多くは、たんぱく質で作られていることが分かります。
プロテインの語源
「プロテイン(Protein)」と聞くと、ボディビルダーやスポーツ選手が摂取するサプリメントとイメージする人もいるかもしれません。しかし、プロテインとは、たんぱく質という意味です。
そして、このプロテインの語源は、ギリシャ語の「プロティオス」からと言われています。「プロティオス」の意味は、「一番大切なもの」です。
たんぱく質不足で起こること
「一番大切なもの」であるたんぱく質。私たちのカラダの多くがたんぱく質で構成されています。
この大切な栄養素であるたんぱく質が不足するとどうなるのでしょうか?
代謝が悪くなる
基礎代謝の多くは、筋肉や内臓の働きによって消費されています。その筋肉や内臓を作っているのがたんぱく質。
しかし、このたんぱく質が不足すると筋肉が細くなり、内臓の働きも低下してしまいます。結果、基礎代謝が低下し痩せにくく太りやすい体質を作ってしまいます。
また代謝が低下するので、むくみの原因にもなります。
女性ホルモンへの影響
女性ホルモンは、肌や髪の潤いや女性らしいカラダを作るために必要な働きをします。この女性ホルモンを作るために必要な栄養素の一つがたんぱく質。
たんぱく質が不足すると、女性ホルモンの分泌が減少しバランスが崩れてしまい、肌・髪や生理不順などの身体への影響や精神的不安定にもつながります。
肌・髪・爪のトラブル
肌・髪の毛・爪もたんぱく質でできています。たんぱく質が不足すると、髪が細くなる・抜け毛が増える・肌荒れ・爪割れなどにつながります。
貧血
貧血の原因のひとつに鉄分不足があげられます。しかし、鉄分だけを摂取しても吸収されにくいのです。吸収に必要なのがたんぱく質。つまりたんぱく質が不足も貧血の原因になるのです。
疲れやすくなる
筋肉や内臓を修復するために必要なたんぱく質。しかし、たんぱく質が不足すると十分な修復ができないため、疲れやすい症状が起こります。
心の問題
セロトニン・ドーパミンという神経伝達物質やコルチゾールというホルモン。これらは、脳の働きに必要なものであり、私たちの精神状態を安定させるため重要や役割があります。
これらを作るのもたんぱく質。たんぱく質が不足することで、思考力の低下・イライラ・ストレスに弱い、また鬱の原因にもなります。
食べ過ぎる
シドニー大学のスティーヴン・シンプソン氏とアリソン・ゴスビー氏の研究によると、たんぱく質不足の食事をすると、必要以上の食欲を招き食べ過ぎに繋がるとしています。
これは、十分なたんぱく質がカラダに満たされるまで、食欲が収まらないためなのだそうです。
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たんぱく質が使われる順番
私たちの内臓・筋肉などの維持・修復・再生するために、たんぱく質が消費されます。ただし、たんぱく質がこれらに使われる優先順位があります。
最優先に使われる部位は内臓。次いで、ホルモン・酵素などに使われ、筋肉や髪・肌などは優先順位は下。
これらは、生命を維持するために、最優先するものから使われると考えられます。つまり、たんぱく質を十分に摂取しないと、筋肉・肌・髪の毛などには利用されることがないのです。
ダイエットや美容のためにたんぱく質を摂取するには、十分な摂取が必要なのです。
たんぱく質の必要摂取量
では、たんぱく質は、どの程度必要なのでしょうか。
厚生労働省『たんぱく質の食事摂取基準2015年版』では、女性の12〜17歳は55g、18歳以上は50g、男性の12〜14歳は60g、15〜17歳は65g、18歳以上は60g。これらが推奨量としてます。
ただし、体格の違いがあるため、一般的な成人の場合には、
体重(kg)×1=1日のたんぱく質摂取量(g)
また、軽い運動をしている人は、
体重(kg)×1.2=1日のたんぱく質摂取量(g)
これらを目安にしましょう。
例えば、55kgの女性が普段運動をしていないのであれば55g、軽い運動をしているなら66gが目安となります。
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たんぱく質が多い食材
たんぱく質が多い代表的な食材をご紹介します。
動物性たんぱく質
・肉 類(牛肉、豚肉、鶏肉)
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・魚類(サバ、サケ、タラ、マグロなど)
・たまご ( 鶏卵、うずらの卵)
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・乳製品 →(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
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植物性たんぱく質
・豆類(豆腐、納豆、油揚げなど)
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摂取の仕方
それでは、たんぱく質はどのタイミングで摂取することで効果を高めることができるのでしょうか。
毎食たんぱく質を摂取する
タンパク質は、糖質や脂質とは違い、体内に溜め込むことができません。そのため、毎食たんぱく質を含む食品を摂る事が必要です。毎食に、肉・魚・豆類をバランスよく取り入れましょう。
朝に高たんぱく食
毎食にたんぱく質を多く含む食品を取り入れることが大事ですが、ダイエット中の人は、特に朝はしっかりたんぱく質を摂取しましょう。
これは、アメリカのミズーリ大学の研究で、朝食に高たんぱく質の食事をすることで日中の食欲を抑えられることがわかっています。
朝食にたんぱく質をしっかり摂ることで、食べ過ぎを防ぎダイエットにもつながります。
運動後に摂取する
運動しているなら、運動後にたんぱく質を摂取しましょう。運動後から45分以内に摂取することで効率の良い筋力アップにつながります。
たんぱく質の摂り過ぎは危険?
たんぱく質の過剰摂取での危険はないのでしょうか。
まず、たんぱく質の過剰摂取の危険性については、
- 腎臓に負担がかかる
- 腸内環境の悪化
この2点がよく上げられています。
まず腎臓への負担について。たんぱく質を過剰に摂取すると腎臓を通して尿として排出されます。これによって、腎臓に負担がかかると言われています。
そして、腸内環境の悪化については、動物性たんぱく質や脂質の多い食事が悪玉菌の餌となり腸内環境を悪化させる原因のひとつと言われています。
この他にも、たんぱく質の過剰摂取による健康被害はいろいろ言われていますが、日本人の食事摂取基準(2015年版)では以下のように記されています。
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
日本人の食事摂取基準(2015年版)3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の過剰摂取による明確な健康障害はないとしていますが、どれだけ摂取しても問題はないとも言えないようです。ですから、過剰摂取が気になる人は、
体重(kg)×1=1日のたんぱく質摂取量(g)
こちらを目安にして、肉・魚・豆類をバランスよく食べましょう。
まとめ
たんぱく質は、ダイエット・美容、そして心身の健康を作るために不可欠な栄養素です。
たんぱく質が不足していませんか?しっかり摂取できているか、自分の食生活を見直してみてくださいね。
以下の記事では、たんぱく質をはじめ栄養の重要性についてご紹介しています。